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【2027年障害福祉報酬改定】居宅介護・重度訪問介護の論点と事業所が備えるべきこと

2027年度の障害福祉サービス等報酬改定に向け、厚生労働省の「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」では議論が本格化しています。
人件費の高騰や深刻な人材不足、利用者の重度化など、訪問系サービスを取り巻く経営環境は厳しさを増しています。
改定直前に慌てることなく、今から事業所としてどのような準備を進めるべきか、居宅介護・重度訪問介護の主な論点と具体的な対応策を整理して解説します。

なお、カイビズ編集部では、2026年度報酬改定に対応した「障害福祉サービスの処遇改善加算ガイド」を無料公開中です。
「収益を伸ばしたい」「運営をより安定させたい」とお考えの事業所様は、ぜひ以下のリンクより資料をダウンロードの上、ご確認ください。

居宅介護・重度訪問介護向け 2026年度処遇改善加算取得マニュアル

障害福祉サービス(居宅介護・重度訪問介護)において、処遇改善加算を取得する必要な要件や加算率などを、2026年度の臨時改定を踏まえてわかりやすくまとめています。

これから取得する事業所は要件を正しく理解するために、そして、すでに取得済みの事業所はセルフチェックなどにご活用ください。

2026年6月「臨時報酬改定」の位置づけ

2027年度に予定されている報酬の本改定を待たずに、2026年6月に臨時の報酬改定がおこなわれました。
臨時改定ともいえる2026年6月の改定は、人材確保の必要性が高まっていることに加え、物価高騰による事業所の負担増、新規参入などに伴うサービス費の増加といった課題に対応することが主な理由です。

※参考:厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「令和6年度報酬改定後の状況を踏まえた課題」

今後の改定スケジュールを確認

次の表は、厚生労働省が令和8年4月に公表した報酬改定までのスケジュールです。

表:厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方について(案)」p.1より引用

2026年秋以降からは各サービスの報酬や基準について具体的な検討が進み、年末には改定の基本的な方向性が固まります。

しかし、告示が出される年明けから4月の施行までは、わずか数ヶ月しかありません。となると事業所としては、報酬が決まってから対応するより、論点が示されている今の段階から準備しておくことが重要です。

たとえば、事業所の収支や加算の状況、職員配置などを改めて整理しておき、現在の経営状況や支援体制を把握しておきましょう。そのうえで、改定によって影響を受けそうな部分を洗い出し、今から改善できることに取り組んでおくことが大切です。

2024年度改定では、重症心身障害児者への対応評価や、重度訪問介護における入院中のコミュニケーション支援対象拡大(区分4・5)など、専門性や支援の質に応じた評価が進められました。
これらを踏まえ、第63回「障害福祉報酬改定検討チーム(9月24日開催)」では、訪問系サービス(居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護等)について具体的な論点が見えてきました。

同一建物等減算の見直し・厳格化

現在の居宅介護では、

  • 事業所と同一敷地・隣接敷地の建物 → 原則10%減算
  • その他の建物でも、その建物の利用者が月20人以上 → 10%減算
  • 同一敷地・隣接敷地で月50人以上 → 15%減算

しかし、減算対象とならない小規模な居住施設に利用者をあえて集めて支援する囲い込み事例や、減算対象利用者が90%以上を占める事業所が多数存在する実態が指摘されています。

サービス提供の実態に合わせた適正化に向け、現在適用要件の見直しや減算幅の議論が進んでいるところです。 

ピアサポートへの評価(新設の検討)

訪問系サービスではピアサポートに関する評価はありません。

とはいえ、

  • 同じ障害の経験を持つ人が同じ目線で相談・助言することが、サービスの質の向上につながる
  • 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護について、「ピアサポート体制加算」または「ピアサポート実施加算」を創設してほしい

といった声が現場や関係団体から上がってきており、次の改定で新たな評価軸を設定することが検討されています。

移動(移動時間・自動車運転)に係る評価

現在、ヘルパーが自動車を運転して利用者を移送する場合、その運転時間は身体介護などのサービスを提供できないため、訪問系サービスの報酬対象になっていません。

しかし、公共交通機関が少ない地域では、利用者へのサービス提供に自動車での移動が欠かせないケースもあります。

そこで、こうしたサービス提供に必要な自動車による移動について、報酬上どのように評価するかが論点となっています。

※参考:厚生労働省 障害福祉報酬改定検討チーム「訪問系サービスに係る報酬・基準について≪論点等≫|第63回(R8.9.24)」

ここまで解説してきましたが、人材不足や物価高騰、利用者の重度化など、事業所を取り巻く環境は依然として厳しい状況であることは変わりません。
そんな中、持続可能な事業運営をおこなうため、管理者が今からできることを3つに絞って紹介します。

STEP
現在の報酬・加算の状況を把握する

まずは事業所の加算取得状況を確認しておきましょう。

  • 現在取得している加算(加算要件の確認・実地指導などへの対応)
  • 算定できていない加算(取得要件の確認)
  • 減算対象の確認(同一建物減算や人員の欠如など)

加算の取得状況を見直すことは、経営面やサービスの提供状況を把握できるだけでなく、人員配置や法令を遵守できているかの確認もできます。

STEP
客観的な「数字」で現状を把握しておく

以下の項目は、運営やサービスの状況を客観的に見える化できるので、月単位でまとめておきましょう。

  • (利用状況)利用者数・サービス提供時間・訪問件数・移動時間
  • (職員体制)職員配置・人件費・職員ごとの稼働率・移動コスト

今後、移動時間や支援実態に応じた報酬設定へシフトした場合でも、運営状況が数字で把握できていれば、改定された額を素早く試算し、スムーズな対策を打つことができます。

STEP
業務効率化と働きやすい職場環境の整備

今回の改定に向けた議論では、人材確保や処遇改善が重要なテーマの一つとなっています。職員の定着を図るためには、給与などの処遇を改善することが欠かせません。しかし、それだけではなく、職員が無理なく働き続けられる環境を整えることも大切です。

たとえば、ICTツールを活用して記録や情報共有、請求業務などを効率化し、職員の負担を減らすこともその一つです。そこで生まれた時間を利用者への支援や職員同士のコミュニケーションに充てられるようにすることが、働きやすい職場づくりと支援の質の向上につながるといっても過言ではありません。

※参考:厚生労働省「障害福祉報酬改定検討チーム」

Q1. 今後の改定で、事業所の規模やサービス提供の実態によって報酬に差がつく可能性はありますか?

可能性は十分にあります。
検討会議では、サービス提供にかかる移動時間や地域性など、実際のサービス提供の実態に応じた報酬のあり方が議論されています。
とくに訪問系サービスなどでは、同じサービスでも地域や利用者の状況によって必要なコストが異なりますので、どのような利用者に、どのような支援を、どれだけのコストをかけて提供しているか、が評価される方向性です。

Q2.処遇改善加算の今後の見通しはどうなりますか?2.処遇改善加算の今後の見通しはどうなりますか?

今後はさらに強化されるといってもいいでしょう。
なぜなら、令和8年6月の臨時報酬改定において、処遇改善加算の対象が福祉・介護職員だけでなく、相談支援専門員やサービス管理責任者、事務員、調理員など、幅広い障害福祉従事者へと拡大されました。

これは、事業所全体で人材を確保し、働き続けられる環境をつくることまで含めて処遇改善を考える方向へ、制度が広がっているともいえます。
そして、この動きは当然令和9年4月の報酬改定にも受け継がれていきます。
管理者としては、事業運営に向けた戦略も必要ですが、どのように人材を育て、処遇を改善するのか、ということも結びつけて考えておくことが重要です。

※参考:厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「障害福祉人材の処遇改善について」

Q3.居宅介護・重度訪問介護で特に注意すべきポイントは?

二つの事業についてポイントを整理してみました。

事業名ポイント
居宅介護重度障害児や医療的ケア児へ対応できる体制が重要。
ヘルパーの確保だけでなく、重度者に対応できる専門的な人材の育成が焦点となる。
重度訪問介護「地域生活を切れ目なく支える体制」がキーワード。
入院前からの医療機関との連携や熟練者による同行を、報酬上どう評価するかが議論されている。
全事業の共通事項マンパワーを単純に人数で評価するのではなく、どんな経験や専門性を持った職員が、どんな支援をしているかを評価する方向性が強まっている。
今まで以上に研修やスキルアップへの取り組みはもちろん、定着率向上がもとめられる。

障害福祉を取り巻く環境は、サービスを増やしていくステージから、限られたマンパワーを最大限に活かし、いかに質の高い支援を続けていくか、というステージへと移りつつあります。

管理者には、必要な加算を適切に取得し、その財源を職員の処遇や職場環境の整備、支援体制の充実につなげながら、障害者、事業所、スタッフのそれぞれにとってメリットのある事業運営を目指すことが重要です。

とはいえ、法改定や報酬改定のたびに、請求や加算の算定要件を確認し、適切に運用していくことは、事業所にとって大きな負担にもなります。

こうした業務を効率化し、本来の支援や人材育成に力を向けるためにも、カイビズの「加算コンサルティング」や介護ソフト「カイビズプラットフォーム」の活用が有効です。

将来的な法改正やシステムの統合など、介護業界を取り巻く環境の変化にも対応しやすい環境を整えるために、ぜひ一度ご相談ください。

シフト・記録・国保連請求がこれ一つで完了!–訪問サービス向け介護ソフト

居宅介護・重度訪問介護事業所の運営には、ヘルパーのシフト管理や記録の入力、報酬請求、採用活動など多くの事務作業が発生します。しかし、これらに時間を取られすぎると、肝心の介護サービスの質が低下しかねません。

「カイビズ プラットフォーム」 は、訪問介護事業所の事務作業を一括管理できる介護ソフトです。
シフト・記録・請求を一つのソフトで対応し、特定事業所加算の運用にも活用できます。

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