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ハードルが高いと思っていませんか?介護現場で今日からできる「生産性向上」の始め方 

介護現場で「生産性向上」と聞くと、介護ロボットやICTなど、大がかりな投資を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、厚生労働省が示す生産性向上は、日々の業務にある「ムリ・ムダ・ムラ」を見直すところから始められます。

この記事では、介護事業所で今日から取り組める業務改善の方法を紹介します。

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厚生労働省は、介護サービスにおける生産性向上を「介護の価値を高めること」と定義しています。単に仕事を早く終わらせるのではなく、業務を見直し、限られた人材で一人でも多くの利用者に質の高いケアを届けることが基本的な考え方です。

高額なIT導入だけが生産性向上ではない

厚生労働省は、生産性向上に向けた業務改善を次の7つに分類しています。

介護サービスにおける生産性向上のための7つの取組
  1. 職場環境の整備
  2. 業務の明確化と役割分担
  3. 手順書の作成
  4. 記録・報告様式の工夫
  5. 情報共有の工夫
  6. OJTの仕組みづくり
  7. 理念・行動指針の徹底

このように、ICTの活用だけでなく、職場環境や仕事の進め方の見直しも生産性向上に含まれます。「まず高額なシステムを導入しなければ」と考える必要はなく、今の業務を整理し、改善しやすいところから着手することも第一歩です。

何から始めるか迷ったら厚労省のポータルサイトを活用

「改善したいが、何が課題なのかわからない」という場合は、厚生労働省の「介護分野における生産性向上ポータルサイト」が役立ちます。厚労省では、改善活動を「準備→見える化→Plan→Do→Check→Action」の6つの手順で示しています。サイトには課題把握や業務時間の見える化に使えるツール、動画教材、取組事例なども掲載されています。訪問介護向けの課題把握抽出ツールも用意されています。

※画像:厚生労働省ホームページ「介護分野における生産性向上の取組の進め方」より

また、整理整頓やマニュアル作成、記録フォーマットの見直しなど、デジタルツールを使わずに取り組める事例も紹介されています。「何から始めればよいか」を考える際の参考にするとよいでしょう。

1.整理整頓から始める「5S」

介護の業務改善で取り組みやすいのが、職場環境の整理です。厚生労働省では「整理・整頓・清掃・清潔・躾」を5Sとして、安全な介護環境と働きやすい職場づくりにつなげています。

例えば、不要な書類を整理する、備品の置き場所や数量を決める、動線上に物を置かないといった取り組みです。必要な物をすぐ取り出せる状態にすれば、探す時間を減らせます。また、誰でも置き場所がわかる状態にすることで、特定の職員しか物の場所を知らない状況も避けやすくなります。

介護の5Sの取り組みは、最初から事業所全体で行う必要はありません。厚労省も、優先順位をつけて実施しやすいものから一つずつ取り組んでよいとしています。「この棚だけ」「この書類だけ」など、小さな範囲から始めてみましょう。

2.業務を見える化し、役割分担を見直す

「いつも特定の職員だけ忙しい」「昔から続けている作業だが、本当に必要かわからない」といった状況も改善の対象です。

1日の業務全体を時間の流れに沿って書き出し、業務時間や役割、手順を見直すことで業務の見える化が進みます。まずは「誰が・いつ・何をしているか」を整理し、業務の偏りや、減らせる作業がないか確認してみましょう。

難しい分析から始める必要はありません。まず1日の仕事を書き出すだけでも、これまで見えていなかったムリ・ムダ・ムラという3Mを考えるきっかけになります。

※画像:厚生労働省介護分野における生産性向上ポータルサイト「介護分野における生産性向上とは」より

3.業務を標準化し、簡単なマニュアルを作る

職員によって手順や判断が異なる業務は、標準化を検討しましょう。

厚労省も、手順書を単に画一的なサービスを行うためのものではなく、職員の経験や知識を見える化し、熟練度を高めるためのトレーニングツールと位置づけています。

最初から分厚いマニュアルを作る必要はありません。よく行う業務から手順や判断基準を整理し、必要に応じて写真や図を使ったフローにすると理解しやすくなります。業務の進め方がそろえば、新しく入った職員への説明もしやすくなります。

4.記録・報告の様式を見直す

日々使っている介護記録や報告書も、業務改善の対象です。「同じ項目が重複していないか」「本当に必要な内容か」「見やすく、使いやすい様式になっているか」を確認してみましょう。

帳票や項目の必要性を見直し、重複が見つかれば効率化の機会につながります。また、内容を大きく変えなくても、レイアウトを工夫することで情報を読み取りやすくなる場合があります。

残業削減につながる

業務を見える化し、役割や手順を整理することで、仕事が後ろ倒しになる状況を改善できます。 

1日の業務の流れと時間の区切りを整理することが、残業時間の削減につながります。

職員の負担を軽減し、離職防止・人材定着につなげる

探し物や不要な作業、特定の職員への業務の偏りを減らすことは、職員の負担軽減と働きやすい環境づくりにつながります。

厚労省も、生産性向上の意義として人材育成、チームケアの質向上、情報共有の効率化を挙げ、介護サービスの質向上と人材定着・確保を目指すとしています。働きやすい職場づくりを進めることは、離職防止を考えるうえでも重要です。

ケアの質向上につながる

介護の生産性向上は、効率化そのものがゴールではありません。ムリやムダのある業務を減らして生まれた時間を、人材育成や、利用者に向き合う時間に充てることもできます。

間接的な業務を効率化し、職員が本来のケアに集中しやすい環境をつくることが、介護の価値を高めることにつながります。

Q.どこから手を付ければよいですか?

まずは「探し物が多い」「時間がかかっている」「人によってやり方が違う」など、現場で困っていることを一つ選びましょう。

課題が見つけにくい場合は、厚労省が公開する課題把握や業務時間の見える化ツールを活用する方法もあります。厚労省も、まず取り組んで試行錯誤し、小さな成功事例をつくることを示しています。大きく変えようとせず、改善しやすい課題から始めることがポイントです。

Q.現場スタッフの抵抗感を減らすコツはありますか?

管理者だけで改善策を決めるのではなく、「何に困っているか」を現場スタッフと共有し、一緒に改善内容を考えることが重要です。

厚労省の標準的な手順でも、改善活動に取り組むチームをつくり、現場の課題を見える化したうえで優先順位を決める流れが示されています。まず小さく試し、「探す時間が減った」など、現場が実感できる成果を共有すると次の改善にもつなげやすくなります。

Q.ICTや介護ソフトはいつ検討すればよいですか?

業務を整理し、「どの作業を効率化したいのか」が見えてきた段階で検討するとよいでしょう。

厚労省は、情報共有にICTを活用することで、転記作業の削減や報告・申し送りの効率化、情報共有のタイムラグ解消を図れるとしています。また、ICTを活用する前提として、共有する情報や目的を整理する手順も示されています。

先に業務を整理しておけば、「何のために介護ソフトを導入するのか」も明確にしやすくなります。

介護現場の生産性向上は、大がかりなIT投資から始めるものではありません。整理整頓、業務の見える化、手順の標準化、記録様式の見直しなど、簡単にできる取り組みから始められます。

何から着手すればよいかわからない場合は、厚生労働省の「介護分野における生産性向上ポータルサイト」のツールや事例も活用し、まず自事業所の課題を整理してみましょう。

業務整理や標準化が進んだら、次のステップとしてICTの活用を検討できます。記録や情報共有のさらなる効率化、ペーパーレス化を目指す場合は、介護ソフトの活用も選択肢の一つです。「カイビズプラットフォーム」は訪問介護の現場から生まれた介護ソフトで、シフト管理、介護記録、請求業務を一つのソフトで完結できるため、大きな業務改善効果が期待できます。

シフト・記録・国保連請求がこれ一つで完了!–訪問サービス向け介護ソフト

介護事業所の運営には、ヘルパーのシフト管理や記録の入力、報酬請求、採用活動など多くの事務作業が発生します。しかし、これらに時間を取られすぎると、肝心の介護サービスの質が低下しかねません。

「カイビズ プラットフォーム」 は、訪問介護事業所の事務作業を一括管理できる介護ソフトです。
シフト・記録・請求を一つのソフトで対応し、特定事業所加算の運用にも活用できます。

まず現場の業務を整え、そのうえで必要な仕組みを取り入れ、自事業所に合った生産性向上を進めていきましょう。

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