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障害福祉の情報公表未報告減算とは?決算情報の報告義務化と対策を解説

障害福祉サービスは年々拡大しており、国の予算も障害者自立支援法施行以降、現在では3倍を超える規模にまで増加しています。それに伴い利用者にとっては「具体的なサービスはどんな内容か」「どのサービスが自分に合っているのか」が分かりにくい状況となっています。

そのため令和6年度報酬改定では、情報公表に関する基準も見直され、これまで以上に適切な報告と情報公開が重視されることになりました。
この記事では、「障害福祉サービス等情報公表制度」をテーマに、未報告による減算の内容や、実際の運営で押さえておきたいポイントについて分かりやすく解説していきます。

なお、カイビズでは減算対策に関する資料を無料配布中です。
障害福祉サービスを提供する事業所様にも確認いただきたい内容ですので、ぜひお気軽にダウンロードください。

【訪問介護向け】報酬を減らさない!減算対策マニュアル

本ガイドでは、介護報酬における減算や減算項目への対応事項をまとめています。
訪問介護事業所がおさえておきたい減算リスクと最新ルールを、自治体の情報や厚生労働省の通知をもとに整理。

「気づいたら減算対象になっていた」という事態を防ぐため、ぜひご一読ください!

図:障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「障害福祉分野の最近の動向(令和4年3月)」より引用

上の図は、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の検討資料です。令和2年度の総費用額の構成割合をサービス種類別に見ると、「生活介護」(26.9%)、「就労継続支援B型」(14.0%)、障害児「放課後等デイサービス」(12.6%)、「グループホーム」(8.5%)が多いことが分かります。

障害福祉サービス等情報公表制度の目的と概要

障害福祉サービスにおける情報公表制度は、平成30年度から始まりました。この制度では事業者が障害福祉サービスの内容を都道府県知事へ報告し、都道府県知事は報告された内容を公表することでサービスの内容を可視化したのです。

これにより、今まで「行ってみないと分からない」「自分の希望に沿っていない」といった利用者のサービスのミスマッチを減らすことが可能となりました。事業者側も広く公表されることで更にサービスの質を高めるよう努力することになり、結果としてサービス品質の向上や事業運営の透明化にもつながっています。

なお、これらの情報は独立行政法人福祉医療機構が運営する「障害福祉サービス等情報検索(WAM NET)」のサイトから確認できます。

令和7年度改正「決算情報(経営情報等)」の報告が義務化

令和6年度の障害福祉サービス報酬改定では、決算情報の報告が義務化され、多くの事業所にとって大きな影響がありました。つまり、義務化という言葉のウラには「報告を行わなければペナルティ対象」となる可能性があるためです。

今回の改定からは、国が事業所の経営状況やサービス内容をより見える化し、利用者が安心して事業所を選べる環境を整えようとしている強い姿勢がうかがえます。

※参考:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について

なぜ今、情報公表制度への対応が重要視されているのか

他業界でも企業情報やサービス内容を公開することは当然であり、障害福祉分野でも同様に透明性を確保することは常日頃から意識しておかなければなりません。とくに障害福祉サービスは「自己決定」「自立支援」が根幹にある制度であり、支援内容や運営状況の可視化はもはや必要不可欠なのです。

情報公表をおこなわなかった事業所には「情報公表未報告減算」が適応されます。
かといって、単に情報を掲載すればよいわけではなく、公表する内容や提出時期、報告方法など国が定めるルールに沿って対応する必要があります。
もし報告のルールや公表基準を満たしていなかった場合は、減算対象となるだけでなく、後から報酬返還を求められる可能性もあります。だからこそ、制度の内容を正しく理解し、早めに準備を進めておくことが重要です。

情報公表未報告減算の対象事業所と減算適用条件

減算の対象となる事業所は原則として、すべての障害福祉サービスおよび障害児通所支援・入所施設です。
サービスの特性(入所・居住系、通所・訪問系)によって減算率が異なりますので、下図で確認しましょう。

減算率対象サービス
10%減算施設入所支援(障害者支援施設が行う各サービス含む)、共同生活援助(グループホーム)、療養介護、宿泊型自立訓練、障害児入所施設 など
5%減算(通所系・訪問系・相談系・児発放デイなど上記以外のすべて)
就労継続支援(A型・B型)、生活介護、自立訓練(機能・生活)、就労移行支援、居宅介護、重度訪問介護、計画相談支援、児童発達支援、放課後等デイサービス など
表:障害福祉サービス等 報酬改定検討チーム「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」を参考に編集部で作成

減算による経営・運営上のリスクとは

では、実際の減算額について共同生活援助(グループホーム)、就労継続支援B型事業所の2事業所を例に減算となった場合の収支シミュレーションを見てみましょう。

令和7年度から、厚生労働省では「障害福祉サービス事業者の経営情報データベース」の整備を進めており、各サービス事業者の経営状況を毎年度把握する仕組みをとっています。これは、障害サービス事業所の経営実態を把握し、今後の制度設計や報酬改定、人材確保支援などの施策検討に活用することが目的です。

そのため実務担当者は、あらかじめ「どのような経営情報を報告する必要があるのか」「どのような流れでシステム登録をおこなうのか」を理解しておかなければなりません。とくに、事業所単位での数値整理や会計区分の確認、提出期限などは早い段階から準備しておきましょう。

報告が必要となる主な経営情報・決算情報

「障害福祉サービス等情報公表制度」において、事業者が報告する情報は①基本情報②運営情報に区分けされていました。そして令和7年度からは③経営情報報告が加わり、会計年度終了後3か月以内の報告という重要なルールが設定されたのです。

実務上押さえておきたい主な報告項目を整理すると以下のようになります。

原則は「サービス単位」での報告ですが、会計区分がない場合は事業所・法人単位でも可能です。

※参考:厚生労働省「障害福祉サービス等事業者の経営情報の報告・公表 リーフレット

経営情報DBへの登録・報告の流れ

障害福祉サービス事業者は、毎年度の決算終了後に経営情報データベース(経営情報DB)へ必要事項を報告しなければなりません。

基本的な流れとしては、まず事業所情報を確認し、貸借対照表や資金収支計算書などの決算データを準備します。その後、WAM NETを通じて情報公表システムへログインし、必要項目を入力・登録します。

図:厚生労働省・こども家庭庁「障害福祉サービス等事業者の経営情報の見える化について」より引用

注意すべき点は、報告内容には収益状況や人件費、事業活動収支なども含まれるため、会計担当者だけでなく管理者のチェックも重要だということです。また、入力後はWEBサイトに掲載事項が反映されているか最終確認することも覚えておきましょう。

Q1. 「情報公表未報告減算」は発覚した月だけでいいの?

都道府県または政令指定都市のホームページに具体的な説明が掲載されていますので、そちらをまずは確認しましょう。
ちなみに京都市では、情報公表対象サービス等情報に係る報告を行っていない事実が生じた場合に、その翌月から報告を行っていない状況が解消されるに至った月まで、当該事業所の利用者全員について、所定単位数から減算することとされています。

※参考:京都市「障害福祉サービス等情報公表制度について

Q2. 入力漏れや報告忘れが心配です

まずは決算数値を確定し、必要書類を確実に整理しましょう。今後は定期的に情報の入力や更新作業が必要になりますので、作業を標準化できるようチェックリスト化しておくと報告漏れを防ぐことができます。

例えば以下のようなチェック項目です。

  • 決算書類(貸借対照表・事業活動計算書・資金収支計算書など)が完成しているか
  • 会計年度終了後3か月以内の報告となっているか
  • 法人名、事業所番号、所在など基本情報に変更漏れがないか
  • 理事会承認、税理士確認、本部確認など内部承認の日程を調整しているか
  • 報告完了後の提出履歴や入力データを保存し、法人内で共有しているか
Q3. 外部サポートを活用するメリットはありますか?

一時的な不足であればただちに減算にはなりませんが、自治体から改善計画の提出を求められる場合があります。長期化すると基準違反として指定取消にもなりかねないので、急な不足に備え、兼務体制の届出や代替対応できる運営体制の確保が重要です。

障害福祉サービス等情報公表制度は、事業所の運営状況や取り組みを外部へ適切に伝える機会です。また情報を整理し、継続的な管理体制をつくることは運営の見える化や業務改善にもつながります。
そのためには、スケジュール管理や役割分担を早い段階で仕組み化しておくことで、情報公表を運営改善の機会として捉えましょう。

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