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【訪問介護】特定事業所加算の人材要件とは?

訪問介護の経営において、特定事業所加算は今や欠かせない収益の柱です。しかし、取得よりも難しいのが「人材要件を満たし続けること」ではないでしょうか。
有資格者が在籍していても、雇用条件や急な退職によって人員配置基準を下回るリスクは常にあります。その結果、特定事業所加算の返還といった実態は何としても避けたいところです。

本記事では、人材要件の詳細や留意点、常勤換算の算出方法を整理し、管理者が押さえるべき実務ポイントを解説します。

なお、カイビズでは処遇改善加算の取得に関する資料を無料配布中です。
取得後の運用に関する内容も記載されてますので、ぜひお気軽にダウンロードください。

訪問介護向け- 特定事業所加算取得のためのステップ解説

本資料では、特定事業所加算の取得の要件やステップを分かりやすく解説。

各サービスごとの異なる要件や、加算取得でつまずきやすいポイントを明確にし、スムーズな申請を支援します。
特定事業所加算は、サービスの質を向上させながら収益を安定させるための強力な手段です。
特定事業所加算の取得を検討中・どんな加算か知りたいという方は是非ダウンロードください!

特定事業所加算は、体制・人材・重度者対応の3つの取り組みが評価される仕組みになっています。
それぞれの取り組みがなぜ事業所の評価につながるのか、まずは3要件それぞれのポイントを整理しました。


人材要件の内容

この章では、「人材」とはどのような人を指すのかについて確認しながら、具体的に解説していきます。特定事業所加算における人材要件の項目は下表の4つです。

人材要件は「人がいれば良い」では評価されない
  • 経験年数
  • 介護福祉士資格の有無
  • 常勤・非常勤の扱い
サービス提供責任者の役割分担と実務負担

訪問介護の人員配置で重要なのは、サービス提供責任者(サ責)の配置です。サ責に必要な要件や配置基準は上記表のとおり細かく設定されているので、今一度確認しておきましょう。
また、サ責は書類上だけでなく、実際にヘルパー調整や計画作成などの管理業務を担っていることが重要です。もしもヘルパーを兼務する場合は、役割を明確にするためシフト表で業務ごとに分けて記載しておくと、運営指導の際にも説明しやすいのでお勧めです。

有資格者割合の管理ポイント

特定事業所加算の人材要件では、有資格者の割合を実人数ではなく常勤換算で把握します。要件を満たしているかどうかの基準は、1日のヘルパー人数ではなく総稼働時間で計算することになっているため、知らないあいだに不足しているケースは少なくありません。

特に非常勤職員の比率が高い事業所では、勤務時間が異なったり、人による稼働時間の違いによって有資格者の割合が想定より低くなるケースがあります。

退職・異動が与える影響

ヘルパーの採用人数は、基本的にご利用者のニーズに比例します。たとえばヘルパーが3人であれば、その人数で対応できる範囲のご利用者を受け入れることになります。

そのため、急にヘルパーが退職すると、残ったスタッフでサービス提供を調整せざるを得ません。結果として一人当たりの訪問件数が増え、ヘルパー個人の負担も大きくなります。

さらに、退職した職員が有資格者だった場合はより深刻です。特定事業所加算では有資格者の割合が要件となるため、他のスタッフでは基準を満たせなくなる可能性があります。代替職員の採用や補充ができなければ、やむを得ず加算の算定をあきらめるケースも出てきます。

参考:特定事業所加算の算定要件の留意事項 |東京都福祉局

図1:人員配置基準等(令和5年9月8日)|厚生労働省を編集部で図式化

訪問介護では、必ず管理者、そしてサ責を配置しなければなりません。さらに「ヘルパーを常勤換算で2.5人以上」配置することも運営面の最低基準となります。

なお、サ責はヘルパーとしてもカウントできるため、少ない人員でも兼務をすれば運営基準を満たすことができます。
この章では人の配置を工夫して運営基準を満たす具体的な方法を紹介します。

常勤換算の計算が難しいという管理者やサ責の方は、特に重要な内容になりますのでぜひチェックしてください。

常勤換算とは何か

常勤換算とは、事業所で働く職員の労働時間を基準にして、事業所の体制が常勤職員何人分に相当するかを計算する方法です。つまり、常勤(フルタイム)やパート、登録ヘルパーが混在する事業所で、「常勤職員だと何人分いるのか」を示す考え方です。

ここでいう常勤職員とは、事業所が定める週の所定労働時間(多くは週40時間)を満たして働く職員を指すので「正社員=常勤職員」ではなく、労働時間によって判断される点です。

実際の計算方法

イラストを例に常勤換算を説明しましょう。

ここでは、常勤(フルタイム)2人、パート1人の合計3人が所属しています。事業所では週40時間を所定労働時間と定めていて、Aさんは規定と同じ週40時間働いており、常勤換算では1人分としてカウントされます。これはBさんも同じです。

一方Cさんはパートで週20時間勤務のため、所定の40時間で換算すると0.5人分働いてくれる人となります。これらを合計した結果、この事業所ではヘルパーが2.5人いることとなり、「基準を満たす」のです。

ここでの運営ポイントは、<図1>のとおり管理者はサ責と兼務が可能なので、管理者であるAさんをサ責にすれば、ヘルパーとしてもカウントできるという点です。

計算ミスが招くリスク

計算ミスが最も起こりやすいのは、異動や退職などでヘルパー数が変動したタイミングです。人員体制が変わると、有資格者の割合も変化し、特定事業所加算の要件を満たさなくなる可能性があります。

特に確認が必要なのは、次の3つです。

  • 訪問介護員等のうち介護福祉士の占める割合
  • 訪問介護員等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合
  • サ責の実務経験年数と常勤配置

ここからは、特定事業所加算の人材要件に関するよくある質問について紹介します。

Q1. 産休・育休・病休の扱いはどうなりますか?

原則常勤換算には含められません。具体的な休暇制度の扱いは以下の通りです。

  • 含まれない:産前産後休業・育児休業・長期病休
  • 含まれる:有給休暇

なお、短時間勤務制度(育児・介護休業法)や勤務時間の短縮等を利用する場合、週30時間以上の勤務で、常勤換算上も1と扱うことになります。

※参考:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和3年3月19日)|厚生労働省」

Q2. 運営指導で指摘されたら、どうなるの?

一般的に運営指導で基準違反や書類不備などが見つかった場合、まずは自治体から指摘事項が示されます。
軽微な不備であれば改善報告書の提出などで終わりますが、人員基準を満たしていない状態での運営や算定要件を満たさない請求があった場合には、介護報酬の返還を求められることもあります。
さらに重大な違反や不正請求が疑われる場合は監査へ移行し、業務停止や指定取消などの行政処分につながる可能性もあるため、日頃から適正な運営管理が重要です。

Q3. 「勤続年数7年以上の者」は、ヘルパー経験が7年の人?

勤続年数7年以上の割合の要件は、訪問介護員等として7年以上勤務していることではなく、同一法人等での勤続年数が7年以上である職員を指します。ですから、現在の訪問介護事業所での勤務年数だけでなく、同一法人内の他サービス事業所で介護職員として勤務していた期間もカウントできます。
また、雇用形態の変更(常勤・非常勤)や職種の変更があっても、直接処遇に関わる職種であれば勤続年数に含めることができます。

※参考:「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日)」|厚生労働省

特定事業所加算の人材要件を安定して満たすためには、今いる資格保持者や経験豊富な職員の定着を図ることがもっとも重要です。職員が安心して長く働ける環境を整えることは、人材要件を維持できるだけでなく、結果としてサービスの質の安定にもつながります。

専門家によるアドバイスが必要な場合は、カイビズの加算取得・運用サポートをご活用ください。
加算要件の確認から必要な書類整備、研修・体制づくりのアドバイスまで、事業所の状況に合わせて実務的にサポートいたします。
専門家の力を借りて確実な加算取得と持続可能な体制整備に取り組んでみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

カイビズ編集部

重度訪問介護など自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
加算取得支援、報酬請求代行、採用代行など、介護・障害福祉分野の経営支援に特化したノウハウを有しており、制度改定や実務に関する最新情報をわかりやすく解説しています。

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