介護事業所の経営支援ならカイビズ

MENU

【特定事業所加算】「緊急時対応の明示」とは?訪問介護事業所が押さえるべき要件と運営指導対策

特定事業所加算を算定するか否かは、訪問介護事業所の運営において大きな分岐点のひとつです。特定事業所加算を算定するには、体制要件として「緊急時等における対応方法の明示」が求められています。
「明示」とは何をどのようにすればよいのか、どのような書類や説明が必要なのか、といった疑問を感じている方も少なくありません。
特に小規模の事業所では、日々のサービス提供と運営の両立だけでも精一杯な中で、加算算定のための書面整備や体制構築を含めた要件に対応するのは容易ではありません。

本記事では、制度の根拠をもとに「緊急時対応の明示」とは何かを正確に解説し、訪問介護事業所が特定事業所加算を算定するために、どのように対応すべきかをわかりやすくご案内します。

また、カイビズでは特定事業所加算の取得に関する資料を無料配布中です。
取得後の運用に関する内容も記載されてますので、ぜひお気軽にダウンロードください。

全国100以上の事業所を運営している会社が作成!特定事業所加算取得のためのステップ解説

複雑な要件をスッキリ整理!

特定事業所加算の取得・運用について最新の法制度に則って解説しています。難しいとされる要件整理も、実践的なノウハウでこれを読んだら分かりやすいと好評です!
これから取得する事業所は要件を正しく理解するために、そして、すでに取得済みの事業所はセルフチェックなどにご活用ください。

「緊急時対応の明示」は体制要件のひとつ

「緊急時等における対応方法の明示」は、特定事業所加算の体制要件のひとつとして明確に位置付けられています。特定事業所加算の要件(6)として明記され、特定事業所加算の(Ⅰ)~(Ⅴ)までの区分に関わらず、全ての事業所で共通の必須項目となっています。

画像:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について(P4)」より引用
なぜ緊急時対応の「明示」が重視されるのか

この要件は、利用者が緊急時にも不安なく介護サービスを受けられるようにするために設けられています。特に夜間や休日など、日常と異なる時間帯で連絡が取れる体制かどうか、どのように対応されるのかが明確であることが、利用者や家族の安心感につながります。

さらに、多職種連携で行うチームケアにおいて、どのような対応が可能かを明示することで、関係事業者との円滑な連携につながります。

近年、中重度の利用者への対応やターミナルケアなど、質の高い訪問介護サービスを提供する事業所が重視されています。緊急時対応は、質の高い訪問介護を行うために欠かせない要素です。
特定事業所加算を取得するためにも、その体制と明示が求められます。

では、利用者に対してどのような内容を明示すればいいのか、次の章で詳しく解説します。

明示すべき3つの要素

「緊急時等における対応方法の明示」とは、具体的にどのような情報をどのように示すべきものでしょうか。
これについては、東京都福祉保健局が2024年4月に発出した通知の中で、具体的に示されています。

① 体制要件
ホ 緊急時における対応方法の明示

同号イ(4)の「明示」については、当該事業所における緊急時等の対応方針、緊急時の
連絡先及び対応可能時間等を記載した文書を利用者に交付し、説明を行うものとする。なお、交付すべき文書については、重要事項説明書等に当該内容を明記することをもって足りるものとする。
参考:東京都福祉保健局「特定事業所加算(訪問介護)の要件・留意事項等について(P2)」

同通知では、緊急時対応の明示に必要な要素として、以下の3点を挙げています。具体的に解説します。

  • 緊急時等の対応方
    たとえば「体調急変時には主治医に連絡し、必要に応じて救急搬送を行う」など、具体的な対応方針を明記します。事業所の体制等、実態に即した記載が求められます。
  • 緊急時の連絡先
    緊急時等に連絡すべき電話番号、担当者、時間帯ごとの連絡先などを明確に記載します。利用者や家族が緊急時に連絡するということも踏まえ、わかりやすく記載することが必要です。
  • 対応可能時間
    「24時間対応」や「6:00~22:00まで」など、具体的な時間帯を記載し、利用者が連絡可能な時間を明確に示します。

ここでは東京都の例を用いて紹介しましたが、地域によって要件が異なる場合もあります。
各自治体のホームページ等から最新の情報を確認しましょう。

書面への記載方法と注意点

緊急時等の対応方法は文書にて明示することが求められます。
具体的な文書のテンプレートが必要な場合は、豊中市が公表している書式を参考にすることをお勧めします。

画像:豊中市「訪問介護事業における特定事業所加算に係る留意事項について」(P9)より引用

緊急時等の対応方法について、主治医や家族への連絡先、連絡手順、対応時間が具体的に記載できる様式になっていることがわかります。

こうしたテンプレートを活用すれば、記載漏れを防ぎ、行政が求める記載基準との差異を最小限に抑えることができます。テンプレートを活用しつつ、各事業所の体制や実情に合わせて修正し、運用することが必要です。

書面の形態に関しては、重要事項説明書に緊急時等の対応方法を明記・説明することで要件として認める自治体が多いです。そのため、まずは重要事項説明書内に必要な情報を明記することが基本となります。

文書交付と説明・同意取得

記載した内容は、単に保管しておくだけでなく、利用者や家族に書面として交付し、口頭で説明した上で、同意を得る必要があります。
説明のタイミングは契約時が基本ですが、体制に変更があった場合も再説明が必要です。

重要事項説明書に掲載している場合は、重要事項説明書への署名によってその同意が確認できます。別途同意書を作成している場合は、書面の内容を説明し、同意と署名を得た記録を適切に保管しておく必要があります。

具体的には、以下の4項目に不足がある場合、要件を満たしていないと判断される可能性があるので注意しましょう。

  • 対応方針、連絡先、対応可能時間が明記されているか
  • 利用者・家族に交付し、口頭説明を行っているか
  • 説明記録や同意書を保管しているか
  • 内容変更時に再説明を行っているか
明示した内容と現場の運用を一致させる

「緊急時対応の明示」は、書面に記載するだけでは不十分であり、その内容が実際の現場での対応と一致している必要があります。記載された対応方針や連絡先、対応時間が、実際の運用でも確実に機能している状態が求められます。
たとえば、記載された時間に連絡がつながらない、担当者が不在である、といった状況が続くと、ケアマネジャーをはじめ地域の関連機関からの信頼を損なうおそれもあります。

適切な運用のためには、事業所内でのマニュアル整備や職員間の情報共有が欠かせません。
実際の体制と書面に記載された内容が乖離していないか、定期的な点検と更新も必要です。こうした取り組みが質の高いサービス提供につながります。

運営指導(旧:実地指導)で問われるポイントと対応策

運営指導(旧:実地指導)では、「記載されている内容」に不備がないかを確認されます。
たとえば「24時間対応可能」と書いてあっても、実際に夜間や早朝に誰も対応できない状況であれば、指摘や指導の対象になります。

  • 利用者からの署名を得た重要事項説明書等の控えがあるか
  • 対応方針が具体的に記載されているか
  • 文書に記載された対応時間帯と連絡先が実際の体制と一致しているか
  • 内容変更があった際に、書面も適切に修正されているか

書面として明示した内容と、実際に行われている状態の整合性を保つことが必要です。
事業所の体制変更があった場合は、内容を見直すことを意識しましょう。

「緊急時対応の明示」は、特定事業所加算取得のための必須要件であると同時に、利用者や家族の安心を支える大切な取り組みです。書類の整備とともに、実際の運用と整合性を保つことが質の高いサービス提供につながります。

本記事を参考に、事業所の体制や重要事項説明書の内容を見直してみましょう。もし「これで本当に大丈夫だろうか」と感じることがあれば、専門家に相談するのもひとつの選択肢です。

カイビズでは、訪問介護をはじめとした介護サービス事業所の加算取得や運営体制の整備を支援しています。
不安に感じる点があれば、ぜひご相談ください。
貴事業所の状況に応じた加算取得サポートをご提供します。
ご相談は無料ですので、是非ともお気軽にお問い合わせください。

特定事業所加算の取得~運用をサポート! カイビズアシスト –加算コンサルティングサービス

介護事業所の運営には、加算管理や報酬請求、採用活動など多くの事務作業が発生します。しかし、これらに時間を取られすぎると、肝心の介護サービスの質が低下しかねません。

「カイビズ アシスト」 は、介護事業所の特定事業所加算の取得~運用をサポートするサービスです。加算を取得することで事業所の収益の安定化が見込めるだけでなく、人材の定着化・信頼度の向上など様々なメリットが生じます。

この記事の監修者

カイビズ編集部

重度訪問介護・グループホームなど自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
加算取得支援、報酬請求代行、採用代行など、介護・障害福祉分野の経営支援に特化したノウハウを有しており、制度改定や実務に関する最新情報を正確かつわかりやすく解説しています。

お気軽にご相談ください

050-3145-9131 受付時間 9:00~18:00(土日祝除く)