介護事業所の経営支援ならカイビズ

MENU

訪問介護「人手不足は15.53倍」課題解決は?ヘルパー採用の考え方

訪問介護事業所の「人手不足」が深刻化しており、厚生労働省の発表では2022年時点において次のとおり報告されています。

  • 有効求人倍率は15.53倍
  • 人手不足と感じる訪問介護事業所は80.6%
  • 人手不足を理由にサービス提供を断った事業所は90.9%
  • 訪問介護員の平均年齢は54.4歳、65歳以上の割合は約25%

つまり、求職者を採用したいと考えた時「他にも14の訪問介護事業所が同じように考えていて、求職者は高齢化している」と認識するのが重要です。

対策として、介護労働安定センターが報告した資料では「法人の方針・理念の明確化」と「事業所規模が拡大」するほど定着率が高いと報告しています。

人手不足が「なぜ、起こるのか?」その理由を解説します。また、年間1,000人のヘルパー採用支援ノウハウから提案する「リーンキャンバス」の考え方をご紹介します。

冒頭でも紹介したとおり、1人の求職者を15の訪問介護事業所が取り合っている現状があります。編集部が入所した訪問介護事業所のコメントは以下のとおりです。

 「求人情報は様々な媒体に出稿しているが、ほとんど応募が来ない。来たとしても面接する前に他の事業所で決まったなどで、お会いできずに終わってしまうケースが多い」

上記のとおり、訪問介護事業所で求人募集を出しても応募がすくないのが現状のようです。令和4年度「介護労働安定センター」の調査によると退職理由の上位は

  • 全体では職場の人間関係が27.5%
  • 男性は職場の理念や運営のあり方が30.3%
  • 女性は人間関係26.9%

つまり、給料や働きやすい職場環境も重要ですが、法人理念や運営方針を明確に定め、法人全体に浸透し求職者に届けることが人材定着には大切だといえます。

また同センターが発表した「求職者が介護事業所に就職した理由」の上位は

  • 資格と技能が活かせるから 37.2%
  • やりたい職種と仕事内容だから 33.6%
  • 通勤が便利だから 36.3%

となっています。厚生労働省の調査では採用困難に直面する介護事業所は約9割とされ、人材定着や採用促進は訪問介護事業所を経営するうえで、非常に重要な課題です。

したがって、資格や技能を活かせる法人か?求職者に「正しく仕事内容を伝え、理念や運営方針を明確に定める」ことが人材不足を解消する「鍵」であることがわかります。

上記を理解するため、訪問介護事業所でヘルパーが離職する背景と人材定着の方法について、解説します。

通所介護事業所(施設系)と訪問介護事業所との比較表 編集部作成

比較項目通所介護事業所(施設系)訪問介護事業所
採用率※19.3%16.3%
離職率※16%13%
年収※約357万約340万
提供場所事業所内自宅
職員の移動なしあり
待機時間なしあり
送迎業務ありなし
提供時間3時間~9時間20分未満でも可
提供体制多数職員一人対応
                                                          ※出展|平成29年度介護労働実態調査((公財)介護労働安定センター)令和4年度「介護労働実態調査」結果の概要

訪問介護事業所でヘルパーが離職する背景を考えるため、上記の表で通所介護事業所と比較して検討してみましょう。
双方ともに、採用率は低く、離職率は高い数字となっています。
特に離職率が高いところは問題で、介護事業所は採用活動を常に行わなければなりません。
よって、介護を提供する環境から採用戦略を考えてみます。

訪問介護の場合、介護を提供する場所が「自宅」であることは利用者の生活を直接支援でき、生活の変化がすぐに感じられるのは良い点です。
送迎についても訪問介護事業所では「大型の送迎車」を運転することは少なく、運転が苦手な方にとっては良い就職先です。
レクリエーションに関しても訪問介護事業所では実施せず、人前で喋ることやレクリエーションを担当することに抵抗がある方には働きやすい環境といえます。

他方、訪問介護事業所では原則一対一で介護を提供することや「男性ヘルパーの不足」。そして、自宅という環境はヘルパーにとって心理的ストレスになっています。
男性利用者を女性ヘルパーが対応する場合も多く、ハラスメント防止に向けた対策は必須の状況です。

また移動の問題も深刻といわれています。
利用者宅に移動する手段は徒歩、自転車、自動車など手段はさまざまです。しかし、自転車による「坂道」は身体的に負担ですし、自動車も注意して運転する必要があります。

利用者の急なキャンセルが起きた場合、待機時間も発生。訪問件数で給与に変動がある場合、ヘルパーの報酬が少なくなる可能性もあるのです。
事実、ヘルパーと通所介護事業所では年収ベースで「17万円」も差があります。ベースアップに向けて各加算関係を取得が重要です。

また提供時間も短時間になる場合が多く、訪問回数がどうしても必要です。
例えば、3時間利用の通所介護事業所と45分の訪問介護+15分の移動を比較すると、訪問回数は「3回」必要です。よって業務効率を高める必要があります。

ヘルパーにとって、労働環境の改善が必要であることは分かりました。次の項目ではヘルパーの採用ノウハウをお伝えします。

リーンキャンバスとは、米国の起業家アッシュ・マウリャが提唱した考え方で「ビジネスモデル」を9つの視点で整理・検討して、A4用紙1枚にまとめる方法です。

求職中のヘルパーが見たとき「事業所の理念、運営の考え方や方針」などが「分かりやすく」示され、採用後の定着率を改善する効果が見込めます。

上記画像のように9つの視点で事業所の内容を整備すると良いです。具体的に訪問介護事業所の運営5年目の以下のモデル法人をケースとしてみてみましょう。

運営5年目の訪問介護事業所。月商350万。和気あいあいと仲が良い事業所。ケアマネージャーから「利用者を紹介したい」と言われ、検討するも「人手不足」を理由に断る。求人を出しても応募がない状況。

最初に「ターゲットを明確にして、メッセージに刺さる内容にします」利用者の性別や事業所の職員の性別、平均年齢などを加味してメッセージ内容を検討しましょう。

次に課題の点では、「応募がない状況」です。代替品は人なので無理となります。

次に独自の勝ちを検証してみましょう。課題を解決するために「自らの事業所は何の価値があるか自問自答」してみましょう。

求職者の視点に立った時「仲が良い事業所」であることが独自の価値であることに気づきます。さらに、根拠を持たせるため

  • 有給消化率(お互いに休みをフォローする法人の雰囲気)
  • 離職率

などがあれば、尚良いです。

解決策の項目では求人方法の検討も大切です。ハローワークや求人サイト、SNSなどの採用手段がターゲット内容を踏まえ有効か検討します。

さらに求職者との接点を増やす方法も重要です。紹介キャンペーンを設けたり、職場体験の日程を設定して、応募力を高める工夫が大切です。

収益の項目では、給与面を検討してください。明確に定まっている場合は省略しても構いません。ただし、競合となる事業所の給与は把握して設定する必要があります。

コスト構造の部分では、予算をどの程度避けるか検討しましょう。安い方が良いのが本音ですが、採用難の時代ではアプローチ母数を広げるために必要な項目検討です。

指標の部分では費用対効果の設定が必要です。

応募数は、SNSならフォロワー数などの業界の指標があれば、事業所の情報発信の仕方や求人市場での価値が分かります。

最後の競合調査です。ほかの訪問介護事業所より優位な部分は何か?を考えます。例えば「仕事内容」「福利厚生」「キャリアパスの仕組み化」などです。特に仕事内容は明確にしましょう。

これら「ターゲット、事業所の特徴、仕事内容、理念」を追求し、明確にすることで採用から定着は有利に働きます。

実際に平成29年度|介護労働実態調査(特別調査)の報告では「理念に共感し、入職した職員の勤続志向」は

  • 理念に共感して入職した職員 1.429倍
  • 理念に共感せず入職した職員 0.742倍

1倍が通常の数値のため、「理念の共有」は2倍近い定借支援効果であることが分かります。採用から定着を促すうえでも「理念、仕事内容、運営方針」を明確化にしましょう

最後に訪問介護事業所がヘルパー採用を考える上で、事業所規模の拡大の必要性を考えてみます。

                                                                                            (公財)介護労働安定センター「令和元年度介護労働実態調査」より引用                                                                           

事業所別でみてみると、事業所規模が拡大するほど安定傾向になるのが分かります。特に50人以上のヘルパーが在籍している事業所は、10人以下の事業所と比較し離職率は約半分に減ることが報告されており、定着支援には事業所規模を拡大することも検討が必要です。

現在、訪問介護の事業所数は横ばいで推移しており、新規参入と閉鎖事業所が入れ替わっています。一方で、介護需要は増加を続け、供給量を上げていく必要があります。事業所の経営者は、ヘルパーを採用して定着し、事業所規模を拡大することも検討が必要となってきております。

人手不足という課題感は認識しつつも、なかなかここまで考えて採用活動に時間をかけられる経営者や管理者が少ないというのが現実です。そのような方を支援するサービスとして、採用業務代行サービスというものがあります。

採用業務代行サービス“カイビスリクルーティング”は、求人票の作成や求人情報を各媒体に掲載作業、一次面接など採用活動にかかわる業務を、忙しい経営者・管理者に代わって行います。ご興味にある方はこちらから資料ダウンロードをお願いします。

お気軽にご相談ください

050-3145-9131 受付時間 9:00~18:00(土日祝除く)