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居宅介護(障害者総合支援法)における特定事業所加算とは

居宅介護における特定事業所加算は、質の高い支援体制を整えている事業所を評価する仕組みです。事業所の体制や人材配置、重度の利用者に対応できる体制など、一定の条件を満たすことで算定でき、事業運営にも大きなプラスとなります。

本記事では、居宅介護の特定事業所加算の内容と要件、介護保険(訪問介護)の特定事業所との違いをわかりやすく整理します。

なお、カイビズ編集部では特定事業所加算の取得ステップを解説した資料を無料で配信しています。
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居宅介護事業所向け- 特定事業所加算取得のためのステップ解説

本資料では、特定事業所加算の取得の要件やステップを分かりやすく解説。

各サービスごとの異なる要件や、加算取得でつまずきやすいポイントを明確にし、スムーズな申請を支援します。
特定事業所加算は、サービスの質を向上させながら収益を安定させるための強力な手段です。
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居宅介護における特定事業所加算は、質の高い支援を安定して提供できる体制を整えている事業所を評価するための加算です。障害者総合支援法に基づく居宅介護で算定できるもので、訪問介護(介護保険)の特定事業所加算とは制度の仕組みも要件も異なります。

加算の目的は、「良質な人材の確保」と「サービスの質の向上」を促すことにあります。一定の要件を満たした事業所に対して算定されます。算定すると、事業所が提供した全ての居宅介護サービスに一律で加算が上乗せされます。

居宅介護の特定事業所加算には、加算Ⅰ〜加算Ⅳまでの4区分があり、満たす要件に応じて加算率(5~20%)が異なります。上位区分を算定するほど加算率は高くなりますが、それだけ求められる体制や人材配置も厳格になります。

特定事業所加算は「取得すれば終わり」ではなく、算定後も継続して要件を維持することが求められます。研修実施や同行研修、会議録、健康診断の記録など、日々の運営の中で証跡を残す必要があるため、管理体制の強化は欠かせません。

特定事業所加算は単なる加算ではなく、事業所としてのサービス品質と組織力を高める仕組みとして重視されます。

居宅介護の特定事業所加算は、満たす要件の組み合わせに応じて加算Ⅰ〜加算Ⅳの4区分があり、それぞれ加算率が異なります。

令和6年度報酬改定では区分と加算率に変更はなく、加算率は以下のとおりです。

区分加算率主な要件の組み合わせ
特定事業所加算Ⅰ20%体制要件(①)+人材要件(②)+重度要件(③)
特定事業所加算Ⅱ10%体制要件(①)+人材要件(②)
特定事業所加算Ⅲ10%体制要件(①)+重度要件(③)
特定事業所加算Ⅳ5%体制要件(①)+中重度要件(④)
表:編集部で作成

では区分ごとに定められた要件の違いについて、次の章で確認します。

居宅介護の特定事業所加算は、厚生労働省通知に基づく要件の組み合わせで判定されます。

引用:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」特定事業所加算:訪問系サービス)より

区分ごとに満たすべき要件は異なりますが、ベースとなるのは①サービス提供体制の整備(体制要件)で、すべての区分に共通して求められます。

要件① サービス提供体制の整備(区分Ⅰ〜Ⅳすべてで必須)
  1. ア 個別の居宅介護従業者に係る研修計画を策定し、当該計画に従い、研修を実施している又は実施することが予定されている。
    イ 個別のサービス提供責任者に係る研修計画を策定し、当該計画に従い、研修を実施している又は実施することが予定されている。
  2. 居宅介護従業者の技術指導等を目的とした会議を定期的に開催している。
  3. サービス提供責任者と居宅介護従業者との間の情報伝達及び報告体制を整備している。
  4. 居宅介護従業者に対する健康診断の定期的な実施体制を整備している。
  5. 緊急時等における対応方法を利用者に明示している。
  6. 新規に採用したすべての居宅介護従業者に対し、熟練した居宅介護従業者の同行による研修を実施している。
要件② 良質な人材の確保(加算Ⅰ・Ⅱで必要)


1. 居宅介護従事者の要件として、以下の3つのうち、いずれかを満たすこと

  1. 居宅介護従事者のうち介護福祉士の割合が30%以上であること。
  2. 居宅介護従事者のうち、介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者及び1級課程修了者の割合が50%以上であること。
  3. 全年度又は前3か月の期間におけるサービス提供時間のうち、常勤の居宅介護従業者によるサービス提供時間が40%以上であること。

2. サービス提供責任者に関する要件について
 アの要件を満たし、サービス提供責任者の人員に応じて、イとウいずれかの要件を満たしていること

  • ア)すべてのサービス提供責任者が3年以上の介護等の実務経験を有する介護福祉士又は5年以上の実務経験を有する実務者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者若しくは居宅介護従事者養成研修1級課程修了者。
  • イ)1人を超えるサービス提供責任者を配置することとされている事業所は、常勤のサービス提供責任者の2名以上の配置していること。
  • ウ)2人以下のサービス提供責任者を配置することとされている事業所は、サービス提供責任者を常勤により配置し、かつ、指定基準省令を上回る数の常勤のサービス提供責任者を1人以上配置していること。
参照:東京都福祉局「書式ライブラリー:特定事業所加算(訪問系)様式」より
要件③ 重度障害者への対応

障害支援区分5以上・たんの吸引等を必要とする者・重症心身障害児・医療的ケア児が利用者の30%以上であること。

要件④ 中重度障害者への対応

障害支援区分4以上・たんの吸引等を必要とする者・重症心身障害児・医療的ケア児が利用者の50%以上であること。

4種類の要件のいずれを満たしているかによって算定できる加算が異なります。加算率20%で最上位の特定事業所加算Ⅰの取得を目指すのであれば、①体制要件、②人材要件、③重度要件 の3つを同時にクリアしている必要があります。

令和6年の報酬改定では「要件③重度障害者への対応」及び「要件④中重度障害者への対応」で変更がありました。これまで、障害支援区分とたん吸引を必要とする者を算出していましたが、今回からは対象に重症心身障害児・医療的ケア児も含まれるようになりました。

3年間の経過措置について

これまで特定事業所加算を算定していた事業所には制度改定後、3年間の経過措置が設けられています。

3年間の経過措置

※令和6年3月31日時点で、特定事業所加算を受けている事業所については、3年間の経過措置を設ける。

特定事業所加算を算定することで、居宅介護事業所には以下のメリットが考えられます。

報酬アップによる経営的メリットが大きい

加算Ⅰ〜Ⅳの区分に応じて、所定単位数の5〜20%が上乗せされます。経営の安定は事業拡大や人材確保にも大きなプラス材料となります。

②組織体制の強化につながる

研修計画、会議、情報伝達、健康診断など、制度上必要とされる体制整備を進めることで、サービス提供者全体のサービス品質が向上し、安定的なサービス提供体制が整います。

重度者支援に強い事業所として評価される

重度化要件などの要件を満たすことで、高度なケアにも対応可能な事業所と評価されやすくなります。利用者獲得にも大きな材料となります。

介護保険の訪問介護サービス事業所として特定事業所加算を算定している事業者様も多いかと思います。訪問介護・居宅介護、どちらの特定事業所加算も、事業所の体制・人員・重度化対応など、求められている本質的な部分に変わりはありません。ただ、要件に関しては違いがありますので必ず確認することが必要です。

特に、居宅介護の特定事業所加算では「新規採用者に対し、熟練した居宅介護従業者の同行による研修を実施していること」という要件もあり、障害特性を踏まえた技術の習得が求められていることがわかります。

特定事業所加算における「計画的な研修の実施」を行う上での留意事項はありますか

研修計画の策定に当たっては、当該計画の期間については定めていないため、当該従業者の技能や経験に応じた適切な期間を設定する等、柔軟な計画策定をされたい。
また、計画の策定については、全体像に加えて、従業者ごとに策定することとされているが、この従業者ごとの計画については、職責、経験年数、勤続年数、所有資格及び本人の意向等に応じ、職員をグループ分けして作成することも差し支えない。
なお、計画については、すべての従業者が概ね1年の間に1回以上、なんらかの研修を実施できるよう策定すること。

※参照:厚生労働省「平成21年度障害福祉サービス報酬改定に係るQ&A(VOL.3)」より

特定事業所加算の算定要件の一つである「熟練した従業者の同行による研修」の熟練した従業者とはどのような従業者を想定しているのか。

新規に採用した従業者に対する適切な指導が必要であることから、サービス提供責任者又はサービス提供責任者と同等と認められる従業者(当該利用者の障害特性を理解し、適切な介護を提供できる者であり、かつ、当該利用者へのサービスについて利用者から十分な評価がある従業者)を想定している。

※参照:厚生労働省「平成21年度障害福祉サービス報酬改定に係るQ&A(VOL.1)」より

問32 特定事業所加算の算定要件である「定期健康診断の実施」については、その年度中に健康診断を実施する前に退職した従業者に対しても、退職後に健康診断を実施する必要は無い理解で差し支えないか。

居宅介護の特定事業所加算は、研修体制や人材配置、重度者への支援体制など、質の高いサービスを提供できる事業所を評価する仕組みです。令和6年度改定では、重症心身障害児や医療的ケア児へのサービス提供実績も評価対象に加えられ、重度要件・中重度要件をクリアできる可能性も広がります。

区分によっては上乗せされる加算額も大きく、事業所運営を大きく左右する加算ですので、算定できるチャンスがあれば積極的に狙っていきましょう。

要件が複雑なため、専門家によるアドバイスが必要な場合は、カイビズの加算取得サポートをご活用ください。
加算要件の確認から必要な書類整備、研修・体制づくりのアドバイスまで、事業所の状況に合わせて実務的にサポートいたします。
専門家の力を借りて確実な加算取得と持続可能な体制整備に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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介護事業所の運営には、加算管理や報酬請求、採用活動など多くの事務作業が発生します。しかし、これらに時間を取られすぎると、肝心の介護サービスの質が低下しかねません。

「カイビズ アシスト」 は、介護事業所の特定事業所加算の取得・運用をサポートするサービスです。加算の取得までのフォローだけでなく効率的な運用方法など特定事業所加算に関する手続きをまるっとフォローいたします。

この記事の監修者

カイビズ編集部

重度訪問介護など自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
加算取得支援、報酬請求代行、採用代行など、介護・障害福祉分野の経営支援に特化したノウハウを有しており、制度改定や実務に関する最新情報をわかりやすく解説しています。

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