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【訪問介護】処遇改善加算を基本給・賞与などの賃金に配分する方法を解説!

「処遇改善加算をどのように賃金に配分すればいいのか分からない。」
「賃金への配分が十分じゃないと返還しないといけないの?」
「トラブルなく処遇改善加算を活用し、職員の定着や採用に役立てたい」

処遇改善加算の取得を検討しているが、基本給・賞与への配分方法がよくわからず、不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
今回は、処遇改善加算を基本給・賞与などの賃金に配分するポイントや返還が求められるケースを解説します。
こちらの記事を読むことで、処遇改善加算の適切な取得方法や返還リスクについて理解を深める一助となるでしょう。

また、カイビズでは処遇改善加算の取得に関する資料を無料配布中です。
取得後の運用に関する内容も記載されてますので、ぜひお気軽にダウンロードください。

訪問介護サービス向け 2026年度処遇改善加算取得マニュアル

介護保険サービス(訪問介護)において、処遇改善加算を取得する必要な要件や加算率などを、2026年度の臨時改定を踏まえてわかりやすくまとめています。

これから取得する事業所は要件を正しく理解するために、そして、すでに取得済みの事業所はセルフチェックなどにご活用ください。

処遇改善加算を賃金へ配分するためには、まずは介護職員等処遇改善加算の概要をおさらいする必要があります。
こちらでは、介護職員等処遇改善加算の特徴について解説します。

介護職員等処遇改善加算の特徴と主な改正ポイント

介護職員等処遇改善加算とは、介護職員をはじめとした介護事業所ではたらく職員の賃金向上・職場環境の改善を目的とした加算です。
介護業界全体の課題である慢性的な人手不足や低賃金を解決する狙いがあります。

より詳しく知りたい方は、こちらの記事も役立ちます。

処遇改善加算の算定要件

処遇改善加算を取得する際の算定要件は、以下の3つです。

  1. キャリアパス要件
    介護職員をはじめとした職員が、将来的なキャリアアップにつながるよう賃金体系や人事制度の整備を計画的に行うよう定められた要件。
  2. 月額賃金改善要件
    処遇改善加算による賃金改善のうち、一定額以上を月額賃金改善として支給するよう定められた要件。
  3. 職場環境等要件
    働きやすい職場環境の整備や生産性向上にむけた取り組みを行うよう定められた要件。

上記の算定要件を満たすことで、処遇改善加算の取得が認められます。
算定要件についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も役立つため、ぜひご覧ください。

しかし、処遇改善加算の算定に成功したものの、それらの加算分をどのように基本給・賞与へ配分すればいいのか分からない方もいるのではないでしょうか。

こちらでは処遇改善加算を基本給・賞与へ配分する手順や注意すべきポイントを解説します。

基本給に反映する7つの手順

処遇改善加算を基本給に配分するためには、以下の7つの手順を踏む必要があります。

  1. 加算区分を確認する
  2. 対象となる職員を整理する
  3. 1ヶ月あたりの処遇改善加算の取得金額を計算する
  4. 処遇改善計画書を作成し、全ての職員へ周知する
  5. 処遇改善計画書を自治体へ提出する
  6. 計画書に定めた施策の実行と基本給への配分
  7. 実績報告書を提出する

まず、4つの加算区分から条件に合う加算区分を確認し、加算を配分する職員を整理します。
また、以下の方法で1ヶ月あたりの処遇改善加算の取得金額を計算します。

  1. 1か月あたりの介護報酬の総単位数を計算する
  2. 1に処遇改善加算の加算率をかける
  3. 2に地域区分単価をかける

上記の計算式や各算定要件を満たすための具体的な計画を記入した処遇改善計画書・体制届を作成し、全職員へ周知することが必要です。
その後、自治体へ提出し、認められると加算を取得できます。
計画書に定めた算定要件を満たすため取り組みや基本給への配分を行い、実績報告書を提出しなければならないため、注意が必要です。

基本給に配分する際に注意すべきポイント

処遇改善加算を基本給に配分する場合、注意すべきポイントは以下のとおりです。

  • 対象となる職員を正確に確認する
  • 就業規則・給与規定を改定する
  • 処遇改善計画書などの記録を管理する

介護職員等処遇改善加算の対象職員は基本的には介護職員ですが、事業所の判断により、現場で介護業務に携わる他の職種にも配分できます。
2026年度の改定では、介護職員等処遇改善加算の対象がより幅広く、介護従事者に拡大されました。
そのため、介護職員に加えて、介護サービスの提供や運営に関わる幅広い職種への配分も想定されます。

ただし、生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せ部分は介護職員が対象となります。
どの職員にどの範囲まで配分するかは十分注意する必要があります。

また、処遇改善加算により基本給が引き上がる場合、就業規則・給与規定との整合を確認し、必要に応じて見直すことが必要です。
さらに、処遇改善加算の取得には計画書や体制届、実績報告書などの書類の提出・管理が必要です。

適切に加算が運用されているか確認できるよう、記録をきちんと保管し、運営指導や監査への対策を行いましょう。

処遇改善加算を賞与へ配分する際に注意すべきポイント

処遇改善加算は基本給だけではなく賞与に配分することも可能です。
賞与に配分させる際、以下の3つのポイントに注意しましょう。

  • 賃金改善の実質性を確保する
  • 配分するタイミングを明確にする
  • 全ての職員に周知する

処遇改善加算を賞与に配分する場合、現在の基本給や各種手当を減額して配分することは認められていません。
賃金改善額が、加算額を下回ると返還の対象となる可能性があるため注意が必要です。

また、賞与に配分する場合、年2回(夏季・冬季)などタイミングを明確にし、事前に全ての職員へ周知することも必要です。

処遇改善加算の取得が認められても、適正な運営ができていないとみなされた場合、加算の返還を求められるリスクがあります。
こちらでは、処遇改善加算の返還を求められる具体的なケースを解説します。

算定要件を満たせなかった

処遇改善加算の取得に必要なキャリアパス要件・賃金改善要件・職場環境等要件を満たしていない場合、加算の返還を求められる可能性があります。2026年6月以降は加算区分の見直しも行われているため、自事業所が届け出た区分の要件を満たしているかを確認する必要があります。

また、基本的なルールとして、賃金改善額が加算額以上であることが条件であるため、加算額より下回った場合も返還の対象となるため注意が必要です。

賃金改善以外の費用に利用した

そもそも、処遇改善加算は介護職員等の賃金改善が目的であるため、それ以外の用途で加算を利用した場合、返還の対象となります。

対象外となる費用と具体例は、以下のとおりです。

加算運用の対象外となる費用具体例
福利厚生費健康保険にかかる費用・健康診断の費用など
職員のキャリア形成にかかる費用資格取得にかかる費用・各種研修の参加費用など
設備投資にかかる費用介護機器の購入にかかる費用など
労働に関係しない費用交通費・待機手当・住宅手当など
表:厚生労働省「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)」P.21,22
大阪府「介護職員処遇改善加算に関する留意事項」P.2
久留米市「久留米市 介護職員処遇改善加算Q&A」P.1より引用し編集部で作成

また、キャリアパス要件や職場環境等要件を満たすために必要な費用も認められないため、必ず職員の賃金改善に直結するよう利用しましょう。

対象となる職員以外にも配分した

令和6年度から始まった介護職員等処遇改善加算から、対象者の範囲を事業所が柔軟に設定できるようになりました。
しかし、あくまで介護職員への配分を基本としつつ、以下の職種への配分が対象と想定されています。

医療系医師・歯科医師・薬剤師・保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・機能訓練指導員・歯科衛生士
相談援助系精神保健福祉士等・介護支援専門員・計画作成担当者・社会福祉士・生活相談員・支援相談員
その他管理栄養士・栄養士・調理員・事務職 等
表:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関するQ&A(第2版)」P.12
「介護職員等処遇改善加算等に関するQ&A(第3版)」P.16より引用し編集部で作成

なお、2026年度6月からの改定では、介護職員等処遇改善加算の対象が介護職員のみから介護従事者に拡大されました。
そのため、介護職員に加えて幅広い職種への配分も想定されますが、生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せ部分は介護職員が対象です。どの職員にどの範囲まで配分するかを確認しましょう。

こちらでは処遇改善加算を賃金への反映方法に関するよくある質問を3つご紹介します。

Q1:役員への配分は可能か?

役員への配分は、地域によって判断が異なるため注意が必要です。

役員への配分に関しては、介護保険法で統一されたルールは決まっていないため、保険者である各自治体の判断となっています。
自治体の中には、役員が介護業務に従事していることを証明できる場合・役員報酬とは別に介護職員として賃金を得ている場合に配分を認めている自治体があります。
事業所において役員への配分を検討している場合、必ず自治体に確認しましょう。

2026年度の改定では対象が介護職員から介護従事者に拡大し、より幅広く配分が可能になりました。
ただ、役員が対象になるかについての見解は現時点では公表されていません。今後のQ&Aや、自治体への確認を通して、正しく算定しましょう。

 Q2:月割りでの配分は可能か?

処遇改善加算を月割りで配分することは可能です。

令和6年から始まった介護職員等処遇改善加算は、1ヶ月あたりの介護報酬の総単位数に1ヶ月ごとの加算額をかけて算出する仕組みです。
特に、処遇改善加算Ⅳでは、加算額の2分1以上を月額賃金で配分することが算定要件として明記されています。
そのため、制度上でも月割りでの配分を認めています。

Q3:時給や日給を引き上げることは、基本給の引上げに当たるか?

時給や日給を引き上げることも、基本給の引き上げに当たります。

アルバイトやパート職員の時給・日給を引き上げることは、基本給の引上げとして取り扱って構いません。
時給・日給へ上乗せする手当として配分する場合も、決まって毎月支払われる手当と同等のものと取り扱うことが認められています。

令和6年度から介護職員等処遇改善加算が始まり、従来の処遇改善加算制度と比べると、職員の賃金改善へフォーカスし、柔軟かつまとまった制度に変わりました。

処遇改善加算を基本給・賞与に配分することで、人手不足の解消や人材採用、職員のモチベーション向上につながります。
3つの算定要件を満たせるように、職場環境や賃金改善などの取り組みや加算取得の手続きを計画的かつ確実に行わなければなりません。
また、適正な利用が難しい場合、加算を返還するリスクもあるため注意が必要です。

2026年の介護報酬改定では加算率の変更や区分の見直し、さらに対象者の拡大などの変更があります。変更点を含めたルールの確認が重要となります。

とはいえ、限られた人員体制や煩雑な手続きの中で加算の取得に関する手続きを完璧にこなすのは簡単ではありません。

カイビズでは、特定事業所加算や処遇改善加算の取得のご支援をさせていただいております。
対価はいただいておりますが、それ以上の価値を提供し「本業の介護事業所の運営」に集中できるよう、全力でサポートいたします。
ご相談は無料ですので、是非ともお気軽にお問い合わせください。

処遇改善加算の取得~運用をサポート! カイビズアシスト –加算コンサルティングサービス

介護事業所の運営には、加算管理や報酬請求、採用活動など多くの事務作業が発生します。しかし、これらに時間を取られすぎると、肝心の介護サービスの質が低下しかねません。

「カイビズ アシスト」 は、介護事業所の請求業務を完全代行するサービスです。加算を取得することで事業所の収益の安定化が見込めるだけでなく、人材の定着化・信頼度の向上など様々なメリットが生じます。

この記事の監修者

カイビズ編集部

重度訪問介護・グループホームなど自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
加算取得支援、報酬請求代行、採用代行など、介護・障害福祉分野の経営支援に特化したノウハウを有しており、制度改定や実務に関する最新情報を正確かつわかりやすく解説しています。

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