介護サービス事業所を立ち上げたばかりの方にとって、「請求業務とは何か」「国保連への手続きはどう進めるのか」など、初めて耳にする言葉や作業が多く、不安を感じることもあるかもしれません。
実際、請求業務には提出期限や必要書類の準備、各種ルールの理解など、一定の知識と対応が求められます。
しかし、流れとポイントを押さえておけば、特別な専門資格がなくても問題なく対応することが可能です。
この記事では、介護サービス事業所の国保連請求に必要な知識や流れ、注意点について、初めての方にもわかりやすく解説します。
必要なことはこの記事を読めば理解できるので、不安な方はぜひ最後までお読みください。日々の請求業務を行うことになります。
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介護請求のトラブルを回避!効率的な請求業務の進め方とチェックリスト

初めて報酬請求業務に取り組む方や、一人で業務を担当している方でも安心して進められるよう、請求業務の負担を軽減し、スムーズに処理するためのポイントを解説。
具体的な対策やチェックリストを活用することで、請求ミスを防ぎ、業務の効率化を実現できます。
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介護サービス事業所の国保連請求の流れ
まずは、請求の流れをつかみましょう。

以下、それぞれの月にやるべきことを解説します。
- サービス提供月にやること
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すべてのサービスが終了した末日に、利用者様の利用実績を確認します。
実績の記録に間違いがないか、加算のつけ忘れがないかもこのタイミングで確認しておきましょう。 - 翌月10日までにやること
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参考:静岡県国民健康保険団体連合会 10日が国保連請求の期限です。期限を過ぎると請求できなくなってしまうので、必ず守りましょう。
請求には、- 介護給付費請求書
- 介護給付費明細書
の2種類の書類が必要です。
請求方法は、インターネット請求が一般的です。

引用:東京都国民健康保険団体連合会 国保中央会の「介護伝送ソフト」または「民間の国保連伝送ソフト」を用意しましょう。
また、居宅介護支援事業所に3日以内に実績を報告し、もしミスがあれば10日までに修正してから請求します。
もしここでミスに気づかず請求してしまうと返戻となり、支払いが遅れる原因となります。
慎重に確認しましょう。
- 翌月10日以降にやること
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10日に国保連への請求をしたのち、利用者様へ個人負担額の請求を行います。
また、29日前後に保険請求の審査結果の通知がきて返戻などがあれば、正しい内容に変更して翌月請求を行います。こうして審査の結果、問題のない請求についてはサービスの翌々月に指定した口座に支払われます。
もし請求にミスがあった場合は、さらに入金が遅れてしまうため注意が必要です。
書類作成時の注意点
国保連請求に必要な書類を作成する際には、いくつか注意点があります。
提出する書類に不備があると、返戻や保留となり、支払いが遅れてしまうので先におさえておきましょう。
- 返戻や保留の対応
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図:国民健康保険中央会「介護給付費請求の手引き」P.4~5 介護報酬請求で請求内容に不備や誤りがあった場合に、国保連から請求データが返されることを返戻と呼びます。原因は介護記録の記載ミスや加算要件の誤認などさまざまです。
返戻が発生した場合は内容を修正し、再度請求を行う必要があります。
請求ソフトを活用している場合はエラー内容が表示されるため、どこが間違っていたのか一つ一つ確認して進めましょう。
- 認定審査中の利用者がいる場合の対応
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認定審査中でも介護サービスを提供することは可能ですが、未認定のまま国保連に請求すると返戻になるケースがあります。
正式に認定結果が出た後に遡ってサービス提供分を請求することが可能なので、請求の際は認定結果が出ているか確認の上対応しましょう。※参考:国民健康保険中央会「介護給付費請求の手引き」P.2
- 請求後ミスが発覚した場合の対応
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画像:愛知県国民健康保険団体連合会「請求明細の取り下げについて(介護給付費明細書用)」より引用 請求した後に誤りに気づいた場合には、国保連に対して取下げ申請または訂正申請を行う必要があります。
小さなミスであっても対応が遅れてしまうと入金の時期が後倒しになってしまうこともあり、迅速な対応が必要です。 - ケアマネージャーとの連携
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介護サービスの請求では、ケアマネージャーが作成する提供票と事業所が作成する実績票が一致していることが前提となります。
不一致があると請求が通らず返戻になる場合もあり、日頃からの連携が重要です。例えば、ケアマネージャー側が給付管理表を期限内に出していない場合や提供実績に相違があった場合は保留となり、返戻とともに審査結果通知に記載されます。
保留になった場合はケアマネージャーに連絡し、状況を確認する必要があります。この場合も、保険金の支払いは通常より遅れることを認識しておきましょう。※参考:国民健康保険中央会「介護給付費請求の手引き」P4.5
介護保険サービスと障害福祉サービスの違いは?
介護保険サービスと障害福祉サービスの大きな違いは、介護保険は高齢者向けであるのに対して障害福祉は障害のある全年齢の方が対象であるということ。
また、利用者の負担割合などにも違いが見られます。
請求先が同じ国保連であることから類似サービスであるととらえられることもありますが、対象となる方が違うので覚えておきましょう。
以下、表形式で2つのサービスの違いをまとめました。
| 介護保険サービス | 障害福祉サービス | |
| 制度 | 介護保険法 | 障害者総合支援法 |
| 対象者 | ・要介護・要支援認定を受けた65歳以上の方方(第1号被保険者) ・特定疾病がある40 歳から 64 歳の方(第2号被保険者) | ・身体に障害のある方(身体障害者手帳の交付を受けておられる方) ・知的障害のある方、身体障害または知的障害のある児童、精神障害(発達障害を含む)のある方 ・難病患者等で一定の障害のある方 |
| 請求日 | 毎月1日~10日 | 毎月1日~10日 |
| 請求先・審査支払先 | 国民健康保険団体連合会(国保連) | 国民健康保険団体連合会(国保連) |
| 給付率 | 利用者:1割~3割負担 残りは保険給付 | 利用者:原則1割負担(応能負担) |
また、障害福祉サービスに類似する介護保険サービスがある場合には、障害者総合支援法第7条に基づき、原則介護保険サービスの利用が優先されることになります。

よくある質問と解決策(Q&A)
介護保険請求で良くある質問をまとめました。
Q1.返戻の理由と解決方法が分からない
A 問い合わせの多い内容については、自治体によっては返戻事由の解説にまとめられていますのでご確認ください。
※参考:神奈川県国民健康保険団体連合会「返戻(保留)事由の解説」
Q2.他県からの利用者については、その県の国保連に請求するのか
A 利用者の住所に関係なく、事業所の所在地の国保連に請求します。
Q3.「保留」になったまま居宅事業所から給付管理票が提出されなかった場合、保留期間はいつまでか
A ▶例えば6月に利用、7月審査で保留になった場合
7月審査結果:保留
8月審査結果:保留
9月審査結果:返戻
となります。返戻になった場合は再請求が必要です。
Q4.10日までに請求したが、その後誤りが見つかったため取り下げたい
A 請求受付後、審査月内での取り下げはできません。結果が通知されたのち、対応してください。
・請求が通った場合→保険者(市町村)へ過誤の申請
・返戻になった場合→翌月以降に再請求
まとめ
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介護保険サービスの請求業務のポイントをおさらいしましょう。
- 決められた期日内に保険請求を完了させる
- 返戻や保留には速やかに対応する
- 相違が起きないよう居宅介護支援事業所と連携をとる
はじめは難しいと感じる介護保険サービスの請求も、何度か対応し流れをつかめばスムーズに進みます。
それでも、日々の業務と並行して進めるのは大変ですよね。単純なミスから返戻が起こりやすいのも、多忙な介護事業所ならではの悩みではないでしょうか。
それに加え個人負担分の請求業務もあり、月末月初は特に職員に余裕がなくなるケースがあります。そんな事業所様向けにカイビズでは、国保連・利用者様へのの報酬請求代行サービスを提供しています。
請求による業務負担を軽減するため、アウトソーシングという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
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介護事業所の運営には、加算管理や報酬請求、採用活動など多くの事務作業が発生します。しかし、これらに時間を取られすぎると、肝心の介護サービスの質が低下しかねません。
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この記事の監修者
カイビズ編集部

重度訪問介護など自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
加算取得支援、報酬請求代行、採用代行など、介護・障害福祉分野の経営支援に特化したノウハウを有しており、制度改定や実務に関する最新情報をわかりやすく解説しています。
