どのような業界でも集客のために必要なことが、『マーケティング』。
訪問介護業界でマーケティングを一言で表すと「利用者を継続的に集客する」ことです。
本記事では、訪問介護のマーケティング概要やマーケティングの考え方を活かした集客の工夫をお伝えします。
カイビズを提供しているユースタイルケア(旧:土屋訪問介護事業所)は、約10年で全国規模で訪問介護事業所を展開し、居宅介護支援事業所などと関係性を築いてきました。
カイビズでは、そこで培ったマーケティング能力と幅広い情報網を活かして、訪問介護事業者向けに利用者獲得のための営業ガイドを無料で公開・配布しております。
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訪問介護のマーケティングとは
これから訪問介護事業を立ち上げる方も、すでに事業を運営している方も、一度マーケティング戦略を考えてみませんか?具体的には以下の手順で進めることを推奨しています。
①自事業所の現状分析
②自分たちの特徴を考える
③相手を明確にする
④興味関心を引き出す
⑤検討段階へ進んでもらう
ユースタイルケアでは、上記の流れに則ってマーケティングを進めてきました。
- 事業所の現状分析:エリア、ライバル、ニーズの調査
- 自分たちの特徴を考える:医療的ケアに対応可能で、重度訪問介護領域で強みのある訪問介護事業所
- 相手を明確にする:医療的ケアや障害者支援の対応に困っているケアマネージャー、相談支援専門員
- 興味関心を引き出す:積極的な営業活動を行い、自分達の特徴を伝える
ユースタイルケアの特徴は「重度訪問介護に対応できる」が強みであり、重度訪問介護が必要な方の対応に困っているケアマネージャーや相談員を対象に積極的な営業活動行ってきました。
しかし、自分達の特徴を考える(作る)と言われても、何から手をつけてよいかお悩みの方も多いと思います。
そこで、次の項目では事例を用いて具体的な手順について解説いたします。
訪問介護事業所のマーケティング準備
- 訪問介護のビジネスモデル
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訪問介護とは、介護保険で利用できる介護サービスの一つです。
サービスの利用対象者は、要介護認定を受けた方で、どのサービスを利用するかは利用者自身が原則決定し、家族も関わります。
しかし、どのサービスを利用することが適切か?また、どの事業所を利用することが理想的なのか分かりにくいのが現状です。
そこで、介護支援専門員(ケアマネジャー)を通してサービスの紹介を受けます。
ケアマネジャーは地域の介護サービス資源に精通しており、評判や実績。そして、各事業所の特徴を考えて利用者に介護事業所を紹介します。
利用者が体験サービスを経験するなどし、利用者と介護事業所双方の合意の元で介護サービスが提供されます。
つまり、訪問介護のマーケティングは以下の人物に対して実施されることが分かります。
- 利用者本人
- 利用者の家族
- ケアマネジャー
当然ですが、ライバルも多いこの業界。マーケティングを考えるなら、利用者のニーズはあるのか?
また、ライバル事業所はどんな特徴があるのか知っておく必要があります。
- 訪問介護事業所の課題分析
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訪問介護事業は「一定地域の利用者を獲得し、サービスを提供する」ビジネスで、エリアが限定されているのも特徴です。
限定されたエリアにマーケティングを実施することは「エリアマーケティング」とよびます。
エリアマーケティングを展開するには、利用者のニーズとライバルの調査が欠かせません。
- 市場環境(利用者のニーズ)
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利用者のニーズを把握するコツは各市町村が出している統計データを用いるのがよいでしょう。
一例として福岡市を紹介します。
訪問介護事業の介護給付件数は令和4年が約16万1千件に対し、令和5年は16万4千件と年間で3千件増加していることが分かります。
福岡市は全国でも高齢化率は低い傾向にあり、今後も介護需要は見込まれると判断できます。
上記のように各自治体毎に高齢化率や介護保険の給付件数を公表しているため、参考にしてください。
- 競合環境
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ライバルの訪問介護事業所が増えているかどうかも、非常に重要です。
先程の福岡市の事例では、令和6年5月時点で451の訪問介護事業所が登録されています。
年間で訪問する件数は約16万4千件のため、一つの事業所が年間で訪問する回数は363回です。
ライバル事業所が多くいる地域はニーズもありますが、知名度がある・積極的にサービスを受けるなどの特徴がないと厳しい場合もあります。
一方、ライバル事業所が少ない地域では差別化もしやすいため、訪問介護を実施しているエリアや予定している場所のライバル調査は実施しておきましょう。
利用者のニーズ調査やライバル事業所の調べ方は分かりました。次は自分達の特徴を知っておくことが重要です。
訪問介護事業所の特徴を分析する方法
自社の訪問介護事業所の特徴を分析するためには、先ほどのマーケティング準備がとても大切です。
なぜなら、ライバルの特徴が分からないと自社が「どんな介護領域に強みを持つのか?」分からないからです。
ライバル事業所の情報を集めたら次の分析方法を使って分析を進めましょう。
- SWOT分析
- 3C分析
- 4P分析
どの分析も特徴が違うため、一つ選んで実施してください。
- SWOT分析

SWOT分析とは、自社の訪問介護事業所の強みと弱み。外部要因をプラス要因とマイナス要因に分けて分析を行います。
例えば、喀痰吸引が可能な訪問介護事業所だとします。プラスの外部要因として周囲には喀痰吸引可能な訪問介護事業所は少なく、自社の強みだといます。
一方、自社の訪問介護事業所は認知症介護の有資格者が少なく、他の事業所は多くの認知症介護の有資格者が存在する場合はマイナスの外部要因です。
上記の事例のように自社の強みと弱み、そしてプラスとマイナスの外部要因を分析します。
SWOTを上手く分析するコツは、複数の視点から分析することです。
経営陣、従業員など色々な立場から分析したほうがより良い分析結果が得られます。
- 3C分析

3C分析とは、以下の頭文字を取った略語で市場環境、自社環境、競合環境からマーケティング戦略を考えます。
- 市場環境 customer
- 自社環境 company
- 競合環境 competitor
事例として、先程の福岡市の事例をさらに深く分析してみましょう。
福岡市の介護ニーズは増加傾向であることは事実です。
ここからさらに、顧客の行動をイメージしてみましょう。高齢者はどこに行くのか、どんなニーズがあるのか、どこから情報を取得しているかによってマーケティングの戦略も変わってきます。
例えば、健康雑誌があるなら広告を出稿することもエリアマーケティングの観点から重要といえます。
自社環境を競合と比較した時の優位性を考え、分析してみましょう。
- 4P分析

4P分析とは、自社の訪問介護事業所のサービスの特徴を決定するときに利用できるマーケティングの考え方です。
以下の4つの頭文字からなり、製品、価格、流通、プロモーションの4つの視点から複合的に分析します。
- 製品 product
- 価格 price
- 流通 place
- プロモーション promotion
訪問介護事業所の場合だと、少し特殊です。
製品の差別化は介護サービスや職員がどの介護領域に精通しているかで決まります。
つまり、資格の有無や知識、経験を元にした「人」で差別化を図り、提供する介護サービスの質を高めていくことが重要です。
価格は加算の種類や介護度によって異なり、質の高い介護サービスを提供している事業所は高い報酬が得られます。
流通は介護サービスをどのように流通させていくか考えます。訪問介護では、利用者宅へ向かう手段のことを意味します。具体的には車、自転車、バイクなどです。
最後にプロモーションになりますが、訪問介護の中でも以下のプロモーションが考えられます。
- ケアマネジャーに直接、伝える。
- エリア内にチラシを巻く
- GoogleやYahooなどWeb広告を検討する
- タウン雑誌に広告を掲載する
- 最寄り駅のラックに小冊子を配付する
- SNS(LINE、X、Instagram)に広告を掲載する。
ここまでマーケティングの準備として、ライバルの情報収集やニーズの調査方法をご紹介しました。
次は、ターゲットを明確にする重要性について説明していきます。
なぜなら、ターゲットを明確にすることで「言葉」が変わるからです。実際の事例をみてみましょう。
伝える相手を明確にする重要性
伝える相手を考えて、言葉を変えたことで集客が成功することは身近な事例でも多いと思います。
中でも成功事例として有名なのが「Soup Stock Tokyo」です。
「秋野つゆ」という架空の人物像を設定し、マーケティング戦略を考えていき大成功しています。
介護業界でも有料老人ホームの伝え方だと以下の場合が考えられます。
◆興味のある人向け:高品質な老人ホーム|看護師が常時在住で安心!
◆興味のない人向け:新しい生活の準備はできていますか?シニア向けの快適な家を探しましょう。
老人ホームに興味のある人は、老人ホームの特徴を聞きたいと思っています。
一方で、興味のないひとには「興味」をもってもらうことから始まるので、自ずと伝えるメッセージに変化が出てきます。
すなわち、訪問介護のマーケティングを考える時にも、この「人物像」を考えることがポイントです。
具体的な人物像をみてみましょう。
- 紹介してくれる人(顕在媒介者)
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訪問介護は介護保険や障害福祉制度を利用して提供されるサービスのため、紹介してくれるケアマネジャーや相談支援専門員、病院の相談員がいます。
例えば、ケアマネジャーは良質な介護サービスを提供してくれる介護事業者の情報を求めている可能性が高いです。
さらに、医療ニーズの高い方や精神・認知面の課題がある。いわゆる「困難事例」の支援に困っているケアマネジャーも多いのが現状です。
したがって、紹介して欲しいと顕在化したニーズがある人には、事業所の特徴や困りごとを解決できる介護サービスを提供できると伝えることが有効です。
- 将来的に紹介してくれる人(潜在媒介者)
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将来的に紹介してくれる人はケアマネジャーや介護施設の相談員。社会福祉士養成校に通う学生などが考えられます。
ケアマネジャーや社会福祉士を目指す方は直接的に紹介してくれる訳ではありませんが、資格を取って就職した瞬間に利用者様を紹介してくれます。
ただし、この段階の人物像には自社の特徴に興味がないため、資格取得に役立つ情報を自社の事例を交えながら解説すると良いでしょう。
- 訪問介護を利用したい人(顕在層)
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訪問介護を利用したい人は大きく分けて、家族と本人に大別されます。
今、訪問介護サービスを必要としているため、訪問介護事業所の特徴や雰囲気。そして、相性やどんなサービスを提供してくれるのか関心が高い状態です。
訪問介護を利用したい人向けには自社の特徴や特に人なりが分かる情報を伝えていくことが重要です。
- 訪問介護に興味のない人(潜在層)
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訪問介護に興味のない人向けには、認知の獲得が目的となります。
伝え方の事例として健康をテーマに自社の宣伝を最後に実施する程度で良いでしょう。
つまり、将来的に訪問介護を利用する段階となったときに「あの事業所があったな」と思い出してもらえれば成功です。
具体的にはケアマネジャーや相談員に対して「〇〇の訪問介護事業所を見学したい」と申し出てもらえることに繋がります。
最後に興味・関心を持ってもらえる手段と工夫するコツをお伝えします。
興味・関心を持ってもらえる手段と工夫
ここまで、マーケティングの準備として情報収集や分析の仕方を解説しました。また、人物像を考えてマーケティングをすることが大切でした。
最後は考えたメッセージを「どのように伝えるか?」を考えましょう。例えば、以下のような伝える手段があります。
- 介護支援事業所に出向いてチラシを配る
- エリアを限定して、チラシを個人宅に配る
- SNSを活用して、認知度を高める
- 雑誌などに広告を掲載する
- WEB上に広告を掲載する
上記のように伝える手段を考え、利用している人の特徴を考えてみましょう。
例えば、エリアを限定してチラシを配る場合には、多くの人に自社の訪問介護事業所の情報を伝えることができます。
配付するエリアの特徴を考えて言葉を考え、チラシを作りましょう。
まとめ
訪問介護のマーケティングには以下のポイントを意識して実施することが重要です。
- 訪問介護のビジネスモデルを理解する。
- 「ライバル」と「ニーズ」の情報を収集する。
- 収集した情報を「3C分析」などを利用して、情報の理解を深める。
- 情報を伝える顧客像を明確にしていく。
- 伝える手段(広告、直接訪問など)と言葉を工夫する。
ここまで、訪問介護のマーケティングに関して解説しましたが、利用者獲得だけでなく、獲得した利用者の方にリピートしてもらうことも重要です。
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