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【国保連請求】介護・障害福祉のエラーコード・返戻対応ガイド

「また返戻か…」
毎月の請求業務でこんなため息をついた経験はありませんか?

限られた人員で介護・障害サービスの実務・事業所運営と事務作業を両立させるのは容易ではありません。
特に、立ち上げ間もない事業所や、小規模で現場と事務を兼務している場合、書類の不備やルールの見落としがそのまま返戻につながってしまうことも少なくありません。
返戻があるたびに、対応に時間を取られ、本来注力したい利用者支援や運営に手が回らなくなってしまうこともあります。
しかし、ポイントを押さえておけば問題なく対応することが可能です。

この記事では、国保連への請求でよく発生する返戻コードとその対応方法について、できるだけわかりやすく解説しています。
これから請求業務をきちんと理解したい方、返戻対応でお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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返戻とは、介護保険給付費を国保連へ請求したときに、記入内容に誤りがあり事業所に差し戻されることです。
返戻が起こると給付費を受け取れなくなるため、書類の修正および再申請の対応が必要になります。

区分意味対応
返戻請求明細書に誤りはないが、給付管理票が未提出または返戻のため、支払が行われない修正・再提出が必要
保留給付管理票が未提出または返戻のため、支払が行われない(一時的な審査留保)決められた期間内に給付管理票を提出
査定請求した分の一部が国保連から事業所へ支払われる原則再請求不可
表:国民健康保険中央会「介護給付費請求の手引き (審査支払結果帳票の解説)」P.4より引用し編集部で作成

国保連は『請求情報』と『台帳情報』を照合させ、結果が一致しない場合に返戻とします。そのため、台帳情報と請求内容の整合性が極めて重要です。

返戻が発生すると、「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」が送付されます。

返戻事由(A~E)の意味
  • 事由A:
    審査処理で一次チェックエラーになったもの(請求明細書等の基本的な項目に対する入力(記入)誤り、入力(記入)漏れなど)
  • 事由B:
    台帳情報との不一致によるエラー(国民健康保険中央会の審査システムに保険者が登録する受給者台帳や県が登録する事業所台帳と請求明細書との不一致など)
    再請求・再登録によるエラー(当月以前に請求又は登録のあった請求明細書や給付管理票に対して、再請求または登録した際)
    登録のない給与管理表に対する修正によるエラー
    審査処理での資格チェック エラー
  • 事由C:
    請求明細書に対する給付管理票との突合不一致(一覧表の備考欄に「保留」または「返戻」となるものがある)
  • 事由D:
    サービス計画費に対する給付管理票が未提出(一覧表の備考欄が「返戻」になる)
  • 事由E:
    介護給付費等審査委員会で返戻となったもの

ここでは、よくある返戻コードとその対応方法について説明いたします。

項目の記載漏れ・フォーマット不一致でよくある返戻コード

コード内容発生原因対応方法
ABB0必須項目未設定サービス項目/サービス提供年月など指定項目の記載漏れ指定項目に正しい数値(またはアルファベット)を記入し再請求
AEE2日数期間超過サービス開始年月日、中止年月日から計算したサービス可能日数より「介護給付費請求明細書」のサービス実日数が多い介護給付費請求明細書のサービス開始年月日や中止年月日(入所年月日、退所年月日)を確認して、再請求
ABBG半角のエリアに
全角の文字を設定
入力フォーマットの
不一致
指定された文字種(半角)に修正して再請求
ABBH全角のエリアに
半角の文字を設定
入力フォーマットの
不一致
指定された文字種(全角)に修正して再請求
ABB3日付形式エラー日付の形式誤り正しい日付形式に修正して再請求
AEF4資格有効期間外入退所年月日が
認定有効期間外
有効期間内のサービス分のみで再請求
表:愛知県国民健康保険団体連合会「返戻事由コード(4桁のエラーコード)の解説」
大阪府国民健康保険団体連合会「エラーコード一覧(令和6年5月以降審査分)」から引用し編集部で作成


これらの返戻を減らすポイント

  • 被保険者情報は月1回確認する(特に新規利用者の入力ミスに注意)
  • 要介護認定の更新時期を管理し、認定期間に留意した請求を実施する

台帳情報に関連する返戻コード
コード内容発生原因対応方法
ADD0事業所基本台帳に該当する事業所情報が無効もしくは存在しない無効もしくは事業所基本台帳に未登録正確な事業所番号で再請求、必要に応じて保険者に確認
ADD1サービス台帳未登録無効もしくはサービス台帳に未登録サービスコードを確認し、指定を受けているサービス分のみ請求
ADD2保険者台帳及び広域連合行政区台帳に該当する保険者等の情報が存在しない当該保険者等情報が保険者台帳等に未登録最新の被保険者証で番号を確認・修正して再請求
ADD3事業所基本台帳の指定・基準該当サービス区分コードと不一致事業所が提供可能なサービス種類と不一致事業所の指定サービス種類を確認し、適切なコードで再請求
ADDA有効期間外の保険者指定更新手続きの遅れ指定更新手続きを行い、有効期間内のサービス分のみ請求
表:兵庫県国民健康保険団体連合会「介護給付費請求の手引き」
大阪府国民健康保険団体連合会「エラーコード一覧(令和6年5月以降審査分)」から引用し編集部で作成


これらの返戻を減らすポイント

  • 事業所番号は基本情報として正確に管理する
  • 指定更新の期限管理を徹底し、更新手続きの遅れを予防

よくある返戻コード
コード内容発生原因対応方法
12PA変更申請中の受給者①利用者が要介護度の区分変更申請中のため、
審査が通らなかった
②新しい要介護度が決定しているが、保険者から連合会にその情報が送られていない。
現在の要介護度を確認
①の場合、新しく要介護度が決定されてから
再請求
②の場合、新しい被保険者証が届いていても連合会に情報が送られるまでタイムラグが生じている可能性があるため、再請求
ANN4過去に該当する介護給付費請求明細書を提出済み①すでに支払が終わっている。
②通常過誤で取り下げをしたが、再請求をするタイミングが早すぎた。
①審査決定済のため、請求内容に誤りや漏れがある場合は過誤申立をしてから再請求
※審査決定済みなのに支払がない場合、給付管理票に貴事業所が記載されていない可能性があるため、ケアマネジャーに確認
②過誤申立をした場合、過誤決定通知書が届いてから再請求
ASS0利用者負担額等の総額が再計算値を超過保険及び公費請求額と利用者負担額(標準負担額)の合計が、審査により再計算した総額又は訂正後求めた総額を超えている計算誤り等がないか確認(単位数に誤りはないか、保険請求額は小数点以下切り捨てにしているかなど)
ANN2同月に該当する介護給付費請求明細書を提出済み請求明細書が複数提出されており、1枚が審査決定され、その他が重複請求というエラーで返戻になっている審査決定された方が正しいのであれば追加対応不要。
1枚で提出すべきものを2枚に分けてしまっているのであれば過誤して再請求する。(例:同月で要介護度が変更した場合など)
ASSA既定値又は計算値を超えているため自動訂正記載された値が計算値を超過計算誤り等がないか確認
12SA給付率が受給者台帳の設定と異なるため、自動訂正給付率に誤りがある利用者の負担割合が正しいか「負担割合証」で確認
12QT受給者台帳記載項目不一致受給者台帳と被保険者証とで情報の不一致がある利用者の被保険者番号、生年月日や性別等の記載誤りがないか被保険者証を確認
12P0受給者台帳に該当する受給者情報が存在しない市町村の認定情報が未登録(受給者情報)被保険証を確認して、記載誤りがないか確認
12QA請求明細書様式に対する受給者の要介護状態区分が不正様式に対する要介護状態区分が不一致要介護、要支援、それぞれのサービスに対応した請求明細書を提出
表:兵庫県国民健康保険団体連合会「返戻等事例集:主なエラー~原因と対応方法~」
大阪府国民健康保険団体連合会「エラーコード一覧(令和6年5月以降審査分)」から引用し編集部で作成

これらの返戻を減らすポイント

  • ケアマネジャーとの連携を密に行い、給付管理票との整合性を確保する
  • 利用者の負担割合証は定期的に確認する

 障害福祉サービス特有の返戻コード
コード内容発生原因対応方法
EC01該当の請求情報は既に受付済、または請求情報内で重複する情報が存在①同じ受付月に同一の請求情報(サービス提供月/受給者証番号)が複数送信されている。
②同じ受付月に同一の市町村情報(提供年月)が複数送信されている。
①1回目送信分の請求のみ受付され、2回目以降に送信された請求分が返戻になっている
1回目の請求に誤りがある場合は、市町村等へ過誤申立する
1回目と2回目の請求情報が同じ場合は対応不要
②<種別:請求書>の重複はサービス費等の支払に影響がないため対応不要。
EG20受給者台帳で受給資格を喪失している受給者受給者台帳で受給資格喪失とされた年月以降のサービス提供年月で請求されている。
(例:・事業所が「サービス提供年月」を誤って請求した。
・市町村等が受給者台帳の「支給決定情報」を未登録。)
受給者証の「サービス種別」「支給決定期間」を確認し、請求内容が正しければ市町村等に状況を確認
EG87請求明細書の「障害支援区分」が受給者台帳の「障害支援区分」と不一致請求明細書の「障害支援区分」と受給者台帳の「障害支援区分」が不一致
(例:・事業所が「障害支援区分」を誤って請求した。
・市町村等が受給者台帳の「障害支援区分」を誤登録した。)
請求明細書の「障害支援区分」と受給者証の「障害支援区分」を確認し、請求内容が正しければ市町村等に状況を確認
EG17上限額管理対象外の受給者請求明細書に上限額管理事業所の情報があるが、受給者台帳に上限額管理事業所情報の登録がない。(例:
・事業所が「上限額管理事業所情報」を誤って請求した。
・市町村等が受給者台帳の「利用者負担上限額管理情報」を未登録。)
受給者証の「利用者負担上限額管理対象者該当の有無」「利用者負担額上限額管理事業所名」を確認し、請求内容が正しければ市町村等に状況を確認
EG76受給者台帳の計画相談支援情報の「計画相談支援有無」が「無し」のため、相談支援給付費算定不可計画相談支援給付対象外の受給者が請求されている。
(例:・事業所が「受給者証番号」を誤って請求した。
・市町村等が受給者台帳の「計画相談支援情報」を未登録。)
受給者証の「計画相談支援給付費の支給内容」を確認し、請求内容が正しければ市町村等に状況を確認
EG12受給者台帳にサービス提供年月時点で有効な受給者の利用者負担上限月額情報が登録されていない受給者台帳に登録されている利用者負担上限月額有効期間外のサービス提供年月で請求されている。
(例:・事業所が「サービス提供年月」を誤って請求した。
・市町村等が受給者台帳の「利用者負担上限月額情報」を未登録。)
受給者証の「負担上限月額/適用期間」を確認し、請求内容が正しければ市町村等に状況を確認
表:宮城県国民健康保険団体連合会
「障害福祉サービス費等の請求に係るエラーコード対応マニュアル」から引用し編集部で作成

これらの返戻を減らすポイント

  • 受給者証の情報を正確に把握する
  • 不明な点があれば関係機関(市町村・指定機関など)に確認する

 住所地特例関連の返戻コード

住所地特例とは、介護保険の被保険者が住民票所在地以外の市区町村にある施設に入所・入居した場合、住民票のある市区町村が保険者となる制度です。

コード内容発生原因対応方法
1203住所地特例対象者でない受給者住所地特例対象者であるのに、請求明細書等の通常の給付費明細欄に請求内容が入力(記入)されている
(例:地域密着型サービスや総合事業サービス利用者が住所地特例対象者であるのに、請求明細書等の通常の給付費明細欄の箇所に入力した)
住所地特例対象者の場合、請求内容は請求明細書等の給付費明細欄(住所地特例対象者)に入力(記入)のうえ再請求
1204市町村認定の施設所在保険者番号と不一致住所地特例対象者の請求において、請求明細書の「施設所在保険者番号」が「受給者台帳」に登録されている「施設所在保険者番号」と異なる請求明細書の施設所在保険者番号を確認し、誤りがある場合は、訂正のうえ再請求
誤りがない場合は、「受給者台帳」の登録について、利用者の保険者(市町村)へ確認
120F住所地特例対象者であるため事業費明細欄に記載不可住所地特例対象者の請求において、請求明細書の「施設所在保険者番号」欄に、保険者番号の入力(記載)がないため請求明細書の「施設所在保険者番号」欄を確認し、入力(記載)のうえ再請求
住所地特例対象者ではない場合は、「受給者台帳」の登録について、利用者の保険者(市町村)へ確認
表:北海道国民健康保険団体連合会「返戻対応マニュアル」
大阪府国民健康保険団体連合会「エラーコード一覧(令和6年5月以降審査分)」「介護給付費等請求に係るエラーコード対応マニュアル」から引用し編集部で作成

これらの返戻を減らすポイント

  • サービス提供地と保険者が異なる場合の記載方法を理解する
  • 住所地特例対象者は専用の明細欄に記載する

書類にミスがあると返戻となり、再請求の必要があるので慎重に行うことが必要です。
ここでは、返戻を未然に防ぐために今日からできるチェックポイントを紹介いたします。

チェックリストの運用

請求に必要な情報は多岐にわたるため、担当者の記憶や慣れに頼るだけではどうしてもミスが発生しがちです。
あらかじめ確認すべき項目をリスト化し、毎月の請求時に一つずつチェックすることで、ヒューマンエラーを防ぎ、安定した請求業務を実現することができます。
以下に具体的に確認すべきポイントをまとめます。

  • 被保険者番号・受給者証番号の正確な記載
  • 要介護度/障害支援区分と認定期間/支給決定期間の確認
  • 最新版のサービスコードの確認
  • 算定単位数の確認
  • 給付管理票/上限額管理票との整合性確認
  • 住所地特例対象者の対応方法の確認
  • 利用者負担割合の確認
ダブルチェック体制の構築

チェックリストを運用するだけでなく、ダブルチェック体制の構築も返戻を未然に防ぐうえで重要です。
具体的には、請求内容を入力した担当者とは別の職員が確認を行うようにしましょう。
また、前月に発生した返戻の事例を参考にして、特にミスが起きやすいポイントを重点的にチェックする体制を整えることが効果的です。

電子請求システムの活用

加えて、電子請求システムの「送信前の検証機能」を活用することも大切です。
この機能を使えば、事前にエラーを検出できるため、送信前に修正することが可能です。エラーメッセージが表示された際は、内容を正しく理解し、原因に応じて適切に対応することで、返戻のリスクをさらに減らすことができます。

ここまでご紹介したように、ダブルチェック体制や電子請求システムの活用、チェックリストの運用など、現場での工夫によって返戻や請求ミスはある程度防ぐことができます。
しかし、限られた人員で日々のケア業務と並行して請求業務も担う小規模事業所にとっては、毎月の正確な請求作業が大きな負担になっているのも事実です。

そうした場合の選択肢の一つとして、「報酬請求代行サービス」の活用があります。
報酬請求代行サービスには、次のようなメリットがあります。

  • 専門知識を持ったスタッフによる確実な請求対応
  • 返戻発生時の迅速な対応
  • 請求漏れの防止によるキャッシュフローの安定
  • 事務負担の軽減
  • 各関係機関・利用者様への請求対応も代行

こうしたサービスも、業務の効率化やミスの削減につながる手段として、ぜひ一度検討してみてください。

国保連への請求業務で発生する返戻対応のポイントをおさらいしましょう。

  • 返戻内容の確認と記録を忘れずに行う
  • 返戻通知の確認が届いたら、その翌月に早めに再請求する
  • 繰り返さないためのチェック体制を整備

介護・障害福祉事業所にとって、国保連への報酬請求は毎月欠かせない業務のひとつです。
しかし、その中で発生する「返戻」は、対応に手間や時間がかかるため、大きな負担になります。
返戻があると再請求のための修正作業や確認作業が発生し、他の業務にも影響が出かねません。一方で、返戻の対応は避けて通れない重要なプロセスでもあります。

返戻コードの意味を正しく理解し、日々の請求業務の中でミスを未然に防ぐ工夫を重ねていけば、そのリスクを最小限に抑えることは十分可能です。
とはいえ、限られた人員体制や煩雑な手続きの中ですべてを完璧にこなすのは簡単ではありません。

カイビズでは、介護・障害福祉分野に特化した報酬請求代行サービスを提供しています。
専門スタッフによるサポートで、毎月の請求業務の負担軽減やミスの防止、安定した運営体制の構築をお手伝いします。現場のリソースや状況に応じて、請求業務のアウトソーシングという選択肢もひとつの手段としてぜひ検討してみてください。

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介護事業所で働いた経験のあるスタッフが対応するため、システムの操作方法だけでなく、請求業務の実務的なアドバイスも受けられます。

この記事の監修者

カイビズ編集部

重度訪問介護・グループホームなど自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
加算取得支援、報酬請求代行、採用代行など、介護・障害福祉分野の経営支援に特化したノウハウを有しており、制度改定や実務に関する最新情報を正確かつわかりやすく解説しています。

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