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介護職員の採用は難しい?人材不足の背景と採用成功のポイントを解説!

厚生労働省の調査、令和5年度「介護労働実態調査」で、介護職員の採用が難しくて困っていると答えた介護事業所は「約6割」、訪問介護に至っては「8割」を超える結果となり、介護業界の中でも訪問介護員の人材不足状況が極めて深刻な状況が表されました。

▼従業員の過不足感に関する調査

令和5年度「介護労働実態調査」より

しかし一方で、訪問介護職員の採用率は2021年度を底に2年連続で前年度比増となり16.8%となりました。また、離職率も前年度比減で11.8%となり、採用率・離職率の数値でみると状況は改善傾向にあるように見られます。

令和5年度「介護労働実態調査」より

徐々にですが、「採用に困る事業所」と「困らない事業所」の格差が出始めているのが伺えます。

本記事では、人材不足の理由にはどんな背景があり、採用を成功させるポイントを深く掘り下げて解説し、採用を成功させた後に大事な定着に関するトピックスも合わせてお伝えします。



▼採用が困難である原因(複数回答可)

令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要より

介護職員の採用が難しい理由は、「介護の責任の重さや身体的疲労、昨今の人手不足により他の産業の賃金が上昇したこと、他産業や同業他社との人材獲得競争が激化していること」が主要な理由となります。

事実、北海道のニセコでは、訪日外国人の増加の影響で「ニセコバブル」とも呼ばれた好景気により観光産業へ人手が流れ、地元の訪問介護事業所や障害者福祉施設が人手不足によって閉鎖する事態になることが起きています。

また、介護職員は命を預かる職業である以上、強いストレスにさらされます。

数字の観点からも検証してみましょう。令和2年度「介護労働実態調査」から読み解きます。次の上位3つが「介護業界で職員が採用困難な理由」です。

  1. 他の産業に比べて労働条件が悪い 53.7%
  2. 同業他社との人材獲得競争が厳しい 53.1%
  3. 景気が良いため、介護業界に人材が集まらない 19.1%

上記の数字は「令和2年」時点の結果のため、令和6年時点ではさらに「賃金格差」と「好調な景気」により人材獲得環境は変化しています。

ここから令和5年度の介護労働実態調査も踏まえて「採用で有効な施策」をみてみましょう。

介護職員の採用で有効な施策は、「職員等からの紹介」です。最近ではリファラル採用とも呼ばれています。このリファラル採用の施策を強化することが最初に実施すべきポイントです。

データで見ても、令和5年度の介護労働実態調査の中で採用ルートをみてみると、職員等からの紹介が訪問介護事業所で「1位」を獲得しているからです。

▼訪問介護員経路別採用者割合と経路別採用者に対する離職者の割合

令和5年度介護労働実態調査 図表7-2-3 訪問介護員経路別採用者割合と経路別採用者対する離職者の割合より

また、入職1年以内に辞めた人の割合も11.2%と他の採用ルートに比べて低く、定着率が高いことが示されています。はじめから知り合いがいるという安心感が定着化につながっていることが伺えます。

この「リファラル採用」を強化するための施策は以下が挙げられます。

  • 紹介制度を設け、紹介した人にインセンティブを与えることを検討する。
  • 紹介制度を社内外に広報する。
  • 紹介制度の利用を促進する仕組みを考える。

上記を実施するには、まず紹介制度を設ける必要があります。

例えば、紹介した人が採用されたらインセンティブとして一時金5万円。半年定着したらさらに一時金5万円を支払うなどです。
インセンティブの設計方法は様々ありますが、一つの考え方として、訪問介護員一人当たりが生み出す営業利益を基準にするというものがあります。インセンティブにかかるコストを半年間で回収するとした場合、採用された方が生み出す1カ月あたりの営業利益を基準に考え、その半年分はインセンティブとして付与すると、それ以降生み出す利益が事業所にとっての利益となります。

こうした制度を設計をすることで、紹介する側にとってもモチベーションが上がり意欲的に取り組んでくれるようになります。

紹介制度を設けたら、社内外に伝えます。伝え方はポスターの掲示や、社内用のチャットツール、チラシを配付することも合わせて検討してください。

最後に「紹介制度を促進する仕組み」も大切です。理由は「紹介制度があることを忘れるから」です。

定期的にミーティングで声かけする。3ヶ月に1回は「人材紹介キャンペーン」などを設け、情報の拡散性(話題性)も考慮して「紹介制度」を充実させていきましょう。

令和5年度の介護労働実態調査の結果によると人材採用後に、何かしらの定着化の取り組みを行っている事業所は95%を超えています。またその中で、効果があると感じた事業所が20%を超えた施策は以下の7つです。

早期離職防止・定着促進に効果のある方策(上位7つ)

①仕事の内容は変えずに、労働時間や労働日を本人の希望で柔軟に対応している

②残業削減、有給休暇の取得促進、シフトの見直し等を進めている

③仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている(上司との定期面談、定期的なミーティングなど)

④ハラスメントのない人間関係のよい職場づくりをしている

⑤仕事と家庭(育児・介護)の両立を支援するための、休業・休暇・短時間労働などの法制度の活用を促進している

⑥賃金水準を向上させている

⑦職場のミーティング等で、介護の質を高めるための価値観や行動基準を共有している

上記から、労働時間や人間関係、働きやすい環境づくりが重要視されているのがわかります。また、賃金水準の向上という面も重要な要素の一つとなります。

実際に、前職を辞めた理由でみると”職場の人間関係に問題があったため”という理由が最も多く、次いで”法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため”となっており、人間関係や働く環境というものがいかに大切かがわかります。

▼直前職が介護関係の仕事だった介護従事者の直前職を辞めた理由(複数回答可)

令和5年度介護労働実態調査 図表6-1-1 直前職が介護関係の仕事だった介護従事者の直前職を辞めた理由(複数回答)を引用

さらに職場の人間関係で問題と感じた方の約5割は「上司の思いやりのない言動、きつい指導、パワハラ」を詳細な理由として挙げています。

介護職の上長は「主任」が多く、現場業務を兼任することも多いです。

現場の余裕がない状況では、ストレスも多くなりハラスメントの原因にもなります。現場の上長が人材マネジメントを実施できる状況なのかも注意しましょう。

実務的な対策としては、ハラスメントや人事マネジメント研修の受講。また、中間管理職の人事考課(評価基準)の中に離職率など基準を設けるなど、組織として取り組んでいくことが大切です。

なぜなら、同調査の中で退職理由の約5割は「上司の思いやりのない言動、きつい指導、パワハラ」だからです。

令和5年度の介護労働実態調査で現在の事業所に勤め始めた理由から、求人への応募を増やすための伝えるべきポイントは以下の4つが挙げられます。

  • 通勤の利便性がよい(50.3%が回答)
  • 仕事の魅力ややりがい(32.6%が回答)
  • 職場の人間関係がよい(31.4%が回答)
  • 残業が少ない、有給がとりやすい、シフトがきつくないため(27.4%が回答)

▼介護職員が現在の法人に就職した理由(複数回答)

令和5年度介護労働実態調査 図表11-1 現在の法人に就職した理由より上位のものを抜粋

それぞれ解説していきます。

通勤の利便性を伝える

求人票の作成には「通勤の利便性」を訴えることが、最近の求人トレンドです。事実、令和5年度の介護労働実態調査の「応募した理由」の1位は「通勤が便利だから」となってます。

よって、求人票のタイトルも「最寄り駅」などを前面に出した求人票が有効です。

例えば次の2つを比べてみてください。

  • 東京駅より徒歩5分!経験・資格不問です!訪問介護のヘルパー募集
  • 訪問介護のヘルパー募集!経験・資格不問です!東京駅より徒歩5分

内容的には同じですが、求職者側からみると「最寄り駅」が取捨選択の鍵となるため、求人情報の前面に打ち出しアピールすると良いでしょう。

先ほども書いたとおり「多くの介護事象所と人材獲得競争」が起きています。

地域性は求職者からも差別化できるポイントになるため、通勤方法が便利になる(夜間オンコール時の運賃補助、最寄り駅からの送迎)があれば、合わせて考えてみましょう。

仕事の魅力や「やりがい」を伝える

求職者が応募した理由として約3割の方が、仕事の魅力や「やりがい」と答えているため、求人時に「自社の仕事とやりがいの魅力」を伝えましょう。

手順としては自社に最近入職した方に「仕事とやりがいの魅力」を聞くのが最も効率的です。

その理由は求職者に最も近い存在の方が感じる言葉だからです。

ポイントは聞き方です。単純に「仕事とやりがいの魅力は?」と聞いても、「ありがとうと言われるのが、やりがいです」とほぼ模範回答が返ってきます。

よって、「多くの介護事業所がある中で、当社を選んだ理由」や「初心者に対する教育体制への感想」また「経験者なら自分の経験や専門性が活かせる職務内容か」などを聞きましょう。

求職者の側から考えて、自社の介護事業所に「応募する理由」や「不安だと思う点」を設問に立てて聞くと良質なメッセージが得られます。

職場の人間関係が良い根拠を伝える

職場の人間関係は非常に重要です。特に介護経験者は退職理由の上位に「人間関係」を上げていることが多く、即戦力の採用には配慮しなければなりません。

定着するポイントとも関係があります。

職場の人間関係が良い根拠は「離職率」が上げられます。また、「有給休暇の取得率」も説明の仕方では人間関係が良い証拠になります。

例えば前者は分かりやすいのです。令和5年度の介護労働実態調査では、1年間の離職率は約13%のため10人に1人が辞める計算です。

上記より低い離職率なら前面に打ち出しても良いでしょう。

後者は「チームワークの良さ」として伝えている介護事業所様もいます。事例として、以下のようなメッセージです。

  • 高有給消化率!お互いに助け合って休める職場作りを心がけています。
  • 有給消化を推奨!計画的に有給消化を推奨し、チームで休める雰囲気を作っています。

注意点として、業務の属人化(特定の人しか出来ない業務)の解消やICTの活用などで業務効率化もセットで考え、現場の負担軽減も同時に実施することが大切です。

残業が少ない、有給休暇がとりやすい、シフトがきつくないためなど働きやすさを伝える

日本でも、働き方改革が進み、企業側も働きやすい環境づくりに努めるようになってきました。

それに人手不足も加わり、労働者側が働く会社を選ぶ側に変化してきています。働きやすい環境づくりを進めていないと求職者から選ばれない状況になってきています。

シフト制で働くことが多い、訪問介護では、予定していなかった残業や、希望通りに有給休暇が取れないなどの状況は避けられがちです。

職場環境づくりを進めるとともに、その状況を求人内容に盛り込むようにしましょう。

この記事を読んで分かることは次のとおりです。

この記事のポイント
  • 介護の採用環境は介護の責任の重さや身体的疲労に加え、昨今の人手不足により他の産業の賃金が上昇したことで、他産業や同業他社との人材獲得競争が激化している。
  • 訪問介護の採用施策で有効なのは「知り合いからの紹介(いわゆるリファラル採用)」
  • 定着促進のポイントは「上司の質の向上」が鍵となり、ハラスメントや人事マネジメント研修を受講する。また、組織として人事考課の指標とすることも検討する。
  • 応募者を増やすコツは通勤の利便性、仕事の魅力(やりがい)、人間関係の良さを伝える。

しかし、施策や伝えるポイントがわかったとしても実行していくのは大変です。求人原稿の作成や、各媒体の管理、紹介制度の設計や周知活動など様々な工数が発生します。

採用活動よりも、その他の介護にかかわる業務やシフト管理、書類作成等で忙しい方には、採用代行サービスをお勧めします。採用代行サービスとは、RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれ、企業の採用業務を外部の専門業者に委託するサービスです。求人募集から候補者の選考、面接調整など、採用プロセス全体または一部を代行し、効率化と採用の質向上を図るものです。

ユースタイルラボラトリー株式会社でも、介護業界に特化した採用代行サービスを提供しています。介護事業所が抱える人材不足を解消するため、採用計画の立案や求人原稿の作成、各媒体の管理などを行い、効果的な人材確保をサポートします。

利用しているお客様からは

  • 非常勤ヘルパーをすぐに採用できた!
  • 媒体がたくさんあり大変だったが、まとめて対応してくれるので助かった
  • 応募数が増えた

などのお声を頂いています。

対価はいただいておりますが、それ以上の価値を提供し「本業の介護経営」に集中できるよう、全力でサポートいたします。ご相談は無料ですので、是非ともお気軽にお問い合わせください。

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