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【訪問介護】処遇改善加算ⅠとⅡの違いとは?

2024年に処遇改善に関する加算が一本化され、ますます介護従事者の賃金や職場環境など業界全体の処遇が見直されています。その中でも「介護職員等処遇改善加算Ⅰ」は管理者にとって特別魅力的ではあるものの、要件が厳しくなかなか手が届かないという方もいるのではないでしょうか。

この記事は、処遇改善には取り組んでいるものの「自分の事業所でどうすれば算定要件を満たすことができるのか」という疑問にお答えする内容になっています。

なお、カイビズでは処遇改善加算の取得に関する資料を無料配布中です。
取得後の運用に関する内容も記載されてますので、ぜひお気軽にダウンロードください。

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厚生労働省が発表した「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)」をみると、処遇改善加算を取得している事業所(令和6年9月30日時点)は全体の95.5%と、ほとんどの事業所が取得していることが分かります。つまり、どの事業所も処遇改善加算を取得し、その分を基本給与に上乗せすることで、従業員の処遇改善を図っているという現状がうかがえます。

例として訪問介護における処遇改善加算の区分と算定率を表にしました。

厚生労働省が発表したデータをもとに、施設系、在宅系サービスにおける加算ⅠとⅡの取得状況をグラフで比較してみました。

グラフ|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)を元に編集部で作成


算定率は施設系が最も高い

処遇改善として加算を取得した場合、必ずその実績を報告しなければなりません。
なぜなら、事業所が公的な資金を適切に加算要件に該当する取り組みとして活用したかどうか、実績報告をすることで透明性を確保する必要があるからです。

実績報告の対象となる加算

処遇改善に関わる加算は、介護職員等特定処遇改善加算や介護職員等ベースアップ等支援加算などいくつかありましたが、令和6年6月以降に一本化されました。

報告書の提出期限
図:2024年度介護報酬改定に関するアンケート調査(前編)|福祉医療機構 より引用
在宅系サービスの算定状況

訪問介護と通所介護の在宅系サービスで処遇改善加算の算定状況をみると、訪問・通所どちらの場合でも95%前後の取得率となっています。介護報酬の改定で大きな単価アップが期待できない現状、事業所としては算定できる加算は一つでも多く取得することが運営の基本といえるでしょう。

とはいえ、やむをえず加算Ⅱで足止めしている事業所も少なくありません。

次の章では取りたくても取れない「加算Ⅰの壁」について、詳しく見ていきましょう。

訪問介護の場合、加算Ⅰと加算Ⅱでは2.1%の差があります。これは事業所で月100万円の介護報酬であると仮定した場合、毎月2万円の差があることになります。2万円といっても給与に上乗せすれば金額は多少増加し、他の事業所と給与面で差をつけることができれば人材確保にも有利といえるでしょう。

とはいえ、在宅系サービスにおいて加算Ⅱでとどまっている事業所があるのには、いくつか理由があります。

下の表は、加算ごとの算定要件を表したものです。

加算Ⅰだけに設けられた介護職員の要件

もしあなたの事業所で加算Ⅱをすでに取得している場合、2%を上乗せするためにさらに手間や費用をかけるメリットはあるのか、と考えるのも当然でしょう。

たしかに加算Ⅰを算定しようと思うと、上の表のように全ての項目が該当しなければなりません。

とくに加算Ⅰだけに設けられた「経験・技能のある介護職員要件」とはどのようなものでしょう。訪問介護を例にして説明すると、訪問ヘルパーのうち介護福祉士が全体の30%以上を占めている必要があります。これは、今いるスタッフで要件を満たさない場合、資格保持者を採用しない限りほぼ達成できないのです。

ましてや人材不足が深刻な状況でただでさえ人手がほしい中、未経験者やキャリアの浅いスタッフを採用すると、加算要件が遠のくといっても過言ではないのです。

職場環境等要件はⅠもⅡも同じ

ここで、表記されている6つの区分とは次の項目となります。

  1. 入職促進に向けた取り組み
  2. 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
  3. 両立支援・多様な働き方の推進
  4. 腰痛を含む心身の健康管理
  5. 生産性向上のための取り組み
  6. やりがい・働きがいの醸成

一見要件を満たすのは難しいと感じるかもしれませんが、加算Ⅰと加算Ⅱは同じ条件です。つまり、すでに加算Ⅱを算定していれば、加算Ⅰの要件はクリアしていることになります。

小規模な事業所には加算Ⅰの前に加算Ⅱの壁がある
グラフ:令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)P.2をもとに編集部で作成

このグラフは、介護老人福祉施設と訪問介護の処遇改善状況を加算ごとに比較したものです。
介護老人福祉施設は比較的大規模で、人員数や職場環境への取り組みをおこなっているところが多く、積極的に加算Ⅰを取得していることが読み取れます。
一方訪問介護事業所は、経営母体が小規模なところが多いので、研修や人員の確保まで時間が取れなかったり、日頃のサービス提供で手一杯であったりする、という課題も抱えています。と同時に小規模事業所のため人材確保が困難で加算Ⅰよりも加算Ⅱの壁を超えることすら困難といえます。

つまり、加算Ⅲはキャリアアップとして「昇給の仕組み」だけで要件を満たすのに対し、加算Ⅱでは「経験・技能のある介護職員のうち1 人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上」が要件となります。この要件を満たせずに加算Ⅲでとどまっている事業所もあるのです。

①事業所でキャリアパスを応援する

加算Ⅰを算定する要件の中で、もっとも管理者の頭を悩ませるのは「キャリアパス要件Ⅴ」ではないでしょうか。この要件は加算Ⅰのみが算定要件となっており、ここが取得できればただちに加算取得できるといえるでしょう。

具体的な要件は「サービス類型ごとに一定以上の介護福祉士等を配置していること」とされており、訪問介護の場合はこれに加えて「特定事業所加算ⅠまたはⅡを算定していること」が条件となっています。

具体的な取組としては、管理者とスタッフの定期的な面接の機会を確保したり、スタッフ同士のコミュニケーションを図る場を設けたりするなど、安心して働くことのできる職場づくりが重要となります。

これは管理者だけでなく事業所全体で取り組む意識が欠かせません。

②就業環境は整っているか

就業環境が処遇改善の要件となっている理由は、ヘルパーが長く働き続けられる環境を整えることで、人材確保や事業継続を図ることも目的の一つだからです。そして、ヘルパー自身がやりがいをもって、安心して働ける就業環境が、ご利用者へのサービスの質向上につながるといえるでしょう。

厚生労働省から取り組みやすい内容を項目ごとに整理したリーフレットが出ています。参考にしてみましょう。

※参考:職場環境等要件に係るリーフレット|厚生労働省

③情報や支援格差をなくす

処遇改善加算Ⅰを取得するには複雑な様式(処遇改善計画書・実績報告等)の提出が必要となります。そのため、「事務作業にまで手が回らない」「自分の事業所で何が必要か」といったことを、一緒に考えてサポートしてくれるサービスもあります。

事業所が小規模であるために加算Ⅱどまりをしているのであれば、是非一度導入を検討してはいかがでしょう。

私たちカイビズでは、処遇改善加算取得のコンサルタントサービスを行っています。
事務作業が煩雑であきらめている方や事業所運営にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

処遇改善加算の取得・算定率UPをサポート! カイビズアシスト –加算コンサルティングサービス

介護事業所の運営には、加算管理や報酬請求、採用活動など多くの事務作業が発生します。しかし、これらに時間を取られすぎると、肝心の介護サービスの質が低下しかねません。

「カイビズ アシスト」 は、介護事業所の加算取得・運用をサポートするサービスです。加算の取得までのフォローだけでなく効率的な運用方法、さらに処遇改善加算の実績報告書の対応まで処遇改善加算・特定事業所加算に関する手続きをまるっとフォローいたします。

今回ご紹介したように処遇改善加算Ⅰを算定するにはいくつかのハードルがあります。しかし、その要件を満たすことができれば、介護サービスの質が保障されるだけでなく、働きやすい職場としてのアピールにもつながります。

もっとも具体的で、かつ効果的な加算取得の方法は、「どうすれば取得できるか」「何から始められるか」ということを、スタッフ全員で検討し、一緒に取り組むことに尽きるのです。

この記事の監修者

カイビズ編集部

重度訪問介護・グループホームなど自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
加算取得支援、報酬請求代行、採用代行など、介護・障害福祉分野の経営支援に特化したノウハウを有しており、制度改定や実務に関する最新情報を正確かつわかりやすく解説しています。

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