通所介護や特別養護老人ホームなどの介護施設を経営をされている方で、新たに訪問介護事業所の開業に興味をお持ちの方も多いと思います。
訪問介護開業手順の概要は資金を調達し、場所と設備を準備して採用(見込み可)を立てる。その後、指定申請書類(事前相談を含む)を提出して開業できます。
開設には、結論「4ヶ月の準備期間が必要で、資金調達、関連基準(設備・人員・運営)を満たし、営業活動」を実施することが必要です。
本記事では、新たに訪問介護事業の開業を検討されている方に向けて、開業まで準備しておくべき内容を解説します。すでに別の介護事業所を経営されている方も新たに介護事業に参入される方もぜひご参考にしてみてください。
また、訪問介護事業所の開業についてはこちらの資料で詳しく解説しております。ぜひダウンロードしてみてください。
訪問介護事業所の開業ガイド 成功への完全ステップ

介護サービスの需要はますます高まり、新規で介護事業を始める経営者も多くいます。
一方で、事業が軌道に乗らず、数年で倒産してしまうケースも少なくありません。
この資料では、訪問介護事業を立ち上げるにあたり、必要な準備やスケジュール、そして利用できる補助金・助成金・加算などの情報をまとめております。
目次
訪問介護開業のスケジュールを立てる
初めに訪問介護事業所のスケジュールと資金計画を立てることが大切です。
資金計画の詳しい記事は以下のリンクからご確認ください。
スケジュールを立てる中でも特に重要なのは「法人設立期間と指定権者(許可を出す役所)の許可スケジュール」となります。なぜなら、この工程が最も時間がかかるからです。
例えば、東京都では「介護事業の新規指定申請は事業開始の4ヶ月前」※となっています。具体的には、12月1日に開業したい場合は7月末までに事前相談の実施が必要です。
また、「東京都で介護保健事業の新規申請」を実施する場合には管理者や法人代表に対し「新規指定前研修」の受講が必須となります。事前相談では開業場所や人員基準の見通しなどが確認されます。本申請後も書類不備や疑義照会(申請上の疑問点の確認)が入るため、開業まで時間がかかります。
なので、訪問事業所の開業を目指す場合「指定権者の許可申請に約4ヶ月程度」が必要と覚えておきましょう。
さらに、法人格(合同会社など)は訪問介護事業所の開業に必要となるため、法人格の取得には1ヶ月程度を見込んでおく認識も大切です。
次に訪問介護事象所の開業を5つのステップで解説します。
訪問介護事業所の開業5ステップ
訪問介護事業所の「資金計画」と「開業スケジュール」の2つの大枠を理解したところで、次は具体的な開業手順をみていきます。
- 1.事前の情報収集
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事前の情報収集には、「資金計画の概要」と「スケジュール概要」の把握に加え、以下の指定基準を理解することが重要です。
- 設備基準:事務場所、相談場所、手洗場、鍵付きのキャビネット
- 運営基準:管理者、サービス提供責任者、訪問介護員の任用と資格要件など
- 人員基準:常勤換算で2.5人以上
各基準に関しては、後で概要を解説します。この項目では、「各基準の理解は必須」とだけ押さえておきましょう。
資金計画や事業計画でも「見込まれる顧客数の確認(介護ニーズは有るのか?)」が必要な場合もあり、各自治体が公表する要介護者の推移は知っておくと良いです。
情報収集で訪問介護事業所開業の全体像が掴めたら、チェック&TODOリスト(やるべきことリスト)を作成し、抜け漏れなくスケジュール管理出来るようにしましょう。
- 2.開業準備のチェックリスト作成
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訪問介護開業のチェックリストとTODOリストは以下を参考に、オリジナルで作成することが大切です。
- 開業申請・法人設立などの大枠のスケジュール把握
- 指定基準の概要(設備基準・人員基準・運営基準)理解
- 採用活動 管理者、サービス提供責任者、訪問介護員(常勤2名、非常勤1名以上)
- 事業計画(資金計画)資金調達および事業計画の作成
- 指定申請書類の準備 指定(許可)申請書など
例えば、自己資金のある方なら運転資金の借入は必要無いため、有資格者の友人3人と開業するなら、採用活動も不要だからです。
上記のうち、事業計画および指定申請書類については別項で解説します。
開業事業スケジュールを立て、必要な書類準備を各チェックリストからTODOリストに落とし込んで、作成しましょう。TODOリスト作成時は、申請期間や各書類申請後から届くまで時間のかかる書類は事前に確認しておくと良いです。特に資格証を「持ってない」場合が多く、関係機関に問い合わせて送られてくるまで時間がかかります。
新規指定申請日の前日に「資格書の写しが届いてない」では、非常に困ります。1ヶ月分の賃料や人件費が発生するため、抜け漏れなく開業準備を進めることが大切です。
- 3.事業計画書(資金計画書)
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訪問介護事業所の立ち上げ費用は約445万円〜475万円程度。つまり、約500万円が必要です。内訳は以下のとおりです。
- 人件費:300万 3ヶ月分の人件費
- 設備維持費費:60万 事務所や移動関連費
- 初期費用:85万~115万円 事務所初期費用、登記費用など
また、新規法人の場合は助成金の活用も合わせて検討する場合もあります。新規法人が利用できる助成金についても以下の記事で開設しておりますのでぜひご確認ください。
【開業・起業】訪問介護の立ち上げ費用は?助成金・補助金申請まで!完全ロードマップ! – 介護事業所の経…訪問介護事業所の開業・立ち上げを検討されている方必見!訪問介護事業所の立ち上げ費用は約445万円~475万円程度が必要で、内訳は人件費が300万、維…カイビズ – - 4.事前相談と指定申請
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事前相談では、指定権者と話しをしながら準備を進めます。必要書類の説明を受けて、注意事項も合わせて確認されます。新規申請であれば、書類関係や指定基準の説明のみで終了です。
しかし、既存で通所介護や特別養護老人ホームなどの通所系・施設系介護所(有料老人ホームも含む)を運営している場合は注意が必要です。他の介護施設の職員と「兼務」する場合は「明確」に勤務形態を分けて事業運営することが求められます。
令和3年度|令和3年度 実地指導における主な指摘事項(訪問系サービス)の欄にも指導例が記載されており、特に注意しましょう。※
※資料はこちらから
具体的には、勤務表も分けて「他事業」と「訪問介護員」の勤務形態を分けることや「訪問介護員」として勤務する場合は名札携帯し、サービス提供時は提示するなどです。指定申請の最後に「実地調査」があり、事務所や備品の確認があります。
- 5.営業活動
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営業活動は利用者獲得において必須であり、ポイントは次のとおりです。
- 営業先へアポイントメントを取得する。
- チラシやパンフレット、名刺を準備する。
- 名刺交換を練習をし、好印象をもってもらう。
- 自社のPRを考えており、特徴をまとめておく。
- 対応不可能な時間帯でも、交渉できる場合もあるため検討する。
上記は営業活動においての基本的な動作です。ケアマネージャーや相談支援専門員への営業活動についてはこちらの記事で詳しく解説しておりますのでぜひ参考にしてみてください。
【解説記事】居宅介護・重度訪問介護における利用者獲得術 – 介護事業所の経営支援ならカイビズ居宅介護・重度訪問介護における利用者獲得に必要な考え方や営業のコツ、組織体制構築のノウハウをお伝えします。障害福祉サービスと介護保険領域では…カイビズ –必要書類と指定基準を「東京都の申請」をモデルとして、今までの解説を振り返ります。
訪問介護開業時の各種指定基準
以下は東京都での「訪問介護」にて申請する場合の書類一覧です。詳しくは各自治体のHPで確認し、準備をすすめてください。※
- 訪問介護の指定申請に係る添付書類一覧
- 指定(許可)申請書(様式第一号(一))
- 訪問介護事業所の指定等に係る記載事項(付表第一号(一))
- 申請者の登記事項証明書又は条例等
- 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表(参考様式1)
- 事業所の平面図(参考様式2)
- 外観及び内部の様子がわかる写真
- 運営規程(料金表含む)
- 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要(参考様式3)
- 誓約書及び誓約書別紙(参考様式4)
- 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書、体制等状況一覧表、加算様式・参考様式
- 処遇改善等計画書(介護職員等処遇改善加算の算定する場合)
- 老人居宅生活支援事業開始届
- 雇用契約、就業規則に関するチェックリスト
- 老人福祉法上のチェックリスト
申請書類を全て揃え、ラベリングして完成です。
最後に訪問介護開業時に多い疑問点もまとめました。合わせてご確認ください。
※参考:東京都福祉局訪問介護(新規に指定を受けたい方へ)より
訪問介護と施設系・通所系介護施設との違い
訪問介護と施設系・通所系介護施設の違いは「利用者の自宅に訪問し、サービスを提供する」ことが大きな違いです。
つまり、居宅施設や通所施設が不要なため「固定費」が低く、新規参入が容易なのも魅力の一つでしょう。
また、通所・施設系介護施設では看護師の配置基準が有りますが、訪問介護は看護師の配置基準は有りません。サービス提供責任者も「訪問介護員と兼任可能」なため、人員が売上に直結する点はメリットです。
一方、訪問介護と通所介護や施設系施設を運営する場合は「人材の採用難」に直面することが想定されます。なぜなら、訪問介護員は「初任者研修以上」の資格を保有していなければなりません。初任者研修以上の人材を採用するor新規で研修を受講いただき、有資格者を増やすことが「事業成功の鍵」となります。
さらに、申請時の加算についても検討しておくことが非常に重要です。
訪問介護開業時に取得できる加算を事前確認する
訪問介護も通所系・施設系介護施設と同様に「基本報酬」と「処遇改善加算」があります。さらに訪問介護ではそれらに加え「特定事業所加算」などの条件が揃った場合に申請可能な加算があります。
特に処遇改善加算については、加算率も高く従業員の定着化にも影響しますので開業前に取得を進めておくことも重要です。最初に加算を取得しておくことで、事業所の人員定着や収益も安定していきます。
特に人手不足が深刻な介護領域のため、加算率も手厚くなっています。開業時に申請を検討しましょう。
ただし、各加算に関しては、要件もあるため事前に確認が必要です。「処遇改善加算」、「特定事業所加算」の要件と取得までのステップについては以下の資料で詳しく解説しておりますのでぜひダウンロードしてみてください。
「処遇改善加算」はこちら

「特定事業所加算」はこちら

まとめ
訪問介護事業所の開業について解説しました。「まとめポイント」は以下のとおりです。
- 訪問介護の開業は事前相談から含めると4ヶ月ほど必要
- 事前相談には、人員・設備・運営基準を理解しておくことが重要
- 必要な開業資金は「約500万円」主に人件費と事務所経費
- 人員基準は「管理者、サービス提供責任者、訪問介護員」
- 設備基準は「相談室、事務室、手洗スペース」を用意する。
訪問介護の開業には「訪問介護開業のプロ」に相談する選択肢もあります。費用は発生しますが、大幅な時間の削減が期待できます。
介護事業所の経営支援サービスカイビズを運営しているユースタイルラボラトリーでは、全国で訪問介護事業所を経営しております。そのノウハウを活かした経営支援サービスも提供しております。ぜひ、ご依頼を検討ください。
