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令和8年|最新版|福祉・介護職員等処遇改善加算とは?-障害福祉サービス向け

福祉・介護職員等処遇改善加算とは「福祉・介護職員のみならず、障害福祉従事者を対象に、賃上げや働きやすい職場環境の整備を後押しする加算」です。

取得することで、従業員の賃金増や職員の定着率向上、職員のキャリアップなど様々な面でメリットがあります。
処遇改善加算取得に向けてのステップを解説した資料も用意しておりますので、ぜひ下記よりダウンロードしてください。

居宅介護・重度訪問介護向け 2026年度処遇改善加算取得マニュアル

障害福祉サービス(居宅介護・重度訪問介護)において、処遇改善加算を取得する必要な要件や加算率などを、2026年度の臨時改定を踏まえてわかりやすくまとめています。

これから取得する事業所は要件を正しく理解するために、そして、すでに取得済みの事業所はセルフチェックなどにご活用ください。

2024年(令和6年)年度の障害福祉サービス等報酬改定では、福祉・介護職員等処遇改善加算が一本化されました。
令和8年度の見直しでは、福祉・介護職員のみから障害福祉従事者に対象が拡大され、加算区分の見直しや、計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援への新設も行われています。
すでに処遇改善加算を取得している事業所も、要件を理解しないまま申請すると、処遇改善加算の報酬が返還になる可能性もあります。

この記事では、新規に福祉・介護職員等処遇改善加算を取得する際の要件や申請手続きについて解説しています。

記事の中ではシミュレーションや制度概要の説明、助成金の活用方法を説明しています。また、実際の申請書類を記入しながら分かりやすく解説していきます。

令和6年度の改定により、処遇改善加算はⅠ〜Ⅳの区分で運用されてきましたが、令和8年度の見直しでは加算区分が見直され、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳで構成されます。

  • 月額賃金改善要件(加算額の半分以上を基本給などで毎月支給する)
  • 職場環境等要件(区分ごとの取組数や全体の取組数などの要件を満たすこと)
  • キャリアパス要件(賃金体系等の整備、研修の実施、昇給の仕組みの整備など)

令和8年度の見直しでは、加算区分がⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳに整理されました。Ⅰロ・Ⅱロは、Ⅰイ・Ⅱイよりも加算率が高い区分です。
ロ区分は、生産性向上や協働化の取組に対応した事業者向けの区分で、令和8年度特例要件として、職場環境等要件の生産性向上に関する取組や、社会福祉連携推進法人への所属、加算Ⅱロ相当額の2分の1以上を月給賃金で配分することなどが示されています。

画像は厚生労働省より引用ですが、一部要件については年度内の対応を誓約することで算定可能とする配慮措置が示されています。

画像:厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」より引用

3つの加算要件と制度の詳細は後で詳しく解説します。まず、処遇改善加算で得られる報酬総額をシミュレーションしてみましょう。

今回は居宅介護の創業期を想定し、3人で1カ月の売上が100万円、1月から翌10月まで営業したと仮定してシミュレーションしてみます。

実際には、処遇改善加算の加算率は障害福祉サービスの種類と加算区分によって異なるため、今回は「居宅介護」のⅠロを前提に試算します。

計算方法

今回のシミュレーションは、基本報酬100万円/月の10ヶ月分で計算しています。具体的には以下を参照ください。

基本報酬 計算例(2026年5月まで)

1,000万円(100万円×10ヶ月)×41.7%(区分Ⅰ・居宅)=約400万円

基本報酬 計算例(2026年6月から)

1,000万円(100万円×10ヶ月)×45.6%(居宅介護・Ⅰロ)=456万円

10ヶ月間で45.6%分、456万円の加算が見込まれます。取得するのとしないのとでは大きな違いが発生します。

ただし、以下の点は特に注意が必要です。

「管理者、サービス提供責任者が介護職員を兼務する場合が対象となる。自治体によても解釈の違いがあり、必ず確認が必要」

※出典:2019年度障害福祉サービス報酬改定に関するQ&A VOL.2問14

例えば、大分県福祉保健部障害福祉課の福祉・介護職員処遇改善加算等に関するよくあるお問合せ資料では、以下のQ&Aとなってます。

問 法人役員は対象となるか。

答 法人役員については、該当職種に従事しており、役員報酬とは別に賃金が支払われていれば、その賃金に対する改善分について加算の充当が認められます。

一方、介護保険分野になりますが福岡県介護保険広域連合は役員は支給対象外とされているなど、自治体毎に違いがあるので、確認をしておいた方がよいポイントです。

画像:厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」より引用

上記は各サービス区分と加算率を示した表です。
例えば「居宅介護」では区分ⅠイとⅣを比較すると、14.4ポイントの差があります。この差は前に項目で説明した「要件」をどれだけクリアしているかで異なってきます。
当然ながら、区分Ⅰが最も厳しい基準ですが、言い換えると『厚生労働省が目指す介護サービスと労働環境を整えている事業所』という位置づけになります。

現場では、区分Ⅳの取得にとどまっている事業所も多くあります。なぜなら、本制度の理解や事務作業が大変だからです。

研修は増え、受講管理もするし、資格要件も管理する。事務作業が増えることを嫌う事業所も多く、加算率を上げる余地があるにもかかわらず、低い区分にとどまる要因となっています。

ここまで、処遇改善加算の概要や報酬のシミュレーションを通して、魅力的で報酬も大きい加算であることは理解できました。

しかし本制度の要件には、管理者やサービス提供責任者の注意点などもあります。ここからはより細かい制度の要件を理解していきましょう。

引用:厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について

2026年6月からの新しい処遇改善加算は、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの区分に分かれます。
要件は上述した通り月額賃金改善要件、職場環境等要件、キャリアパス要件の3つがあります。

それらの各要件に加え、職員への周知、労働関係の法律違反がないこと、労働保険料の未納がないことが前提条件となります。

各要件の詳細を解説します。

月額賃金改善要件

月額賃金改善要件は、新加算Ⅳ相当の加算額の1/2以上を基本給や毎月の手当で支給することが条件です。

後で解説する処遇改善加算の計画書に必要事項を計算すると自動で算出されます。
例えば、先程の「居宅介護」の場合だと区分Ⅳの加算率は「30.2%」です(2026年5月までは27.3%)。

上記の加算率の1/2だと、15.1%となります(2026年5月までは13.75%)。※居宅介護の場合。

初めに実施したシミュレーション、仮に1年間の介護報酬が1,000万で計算すると、約151万円分を月額賃金で改善する必要があります(2026年5月までは約137万円分)。

月額賃金改善要件 計算例(2026年6月から)

1,000万円 × 15.1(居宅介護・区分Ⅳ30.2%の1/2)=151万円

具体的にすると、介護職を兼務する管理者とサービス提供責任者、介護職員(介護福祉士)の3人で以下の割合で分けると仮定します。

  • 介護職員(介護福祉士):50%
  • サービス提供責任者(介護士を兼務):25%
  • 管理者(介護士を兼務):25%

割合の配分要件や対象者の詳しい注意点は後で解説します。

ここでは「処遇改善加算の一部は、必ず月額賃金改善に充当する必要がある」ことを理解しましょう。

シミュレーションの例だと、約151万円の月額賃金改善分は以下の金額となります。

・介護職員:75.5万円÷10ヶ月=約7.6万円/月
・サービス提供責任者(介護士を兼務):37.75万円÷10ヶ月=約3.8万円/月
・管理者(介護士を兼務):37.75万円÷10ヶ月=約3.8万円/月

月額賃金は毎月の賃金として配分する必要があり、就業規則などに明記することが必要です。

就業規則の作成や改定などは助成金を使用できる場合もあり、社会保険労務士などに相談するのも良いでしょう。

職場環境等要件

職場環境要件は令和8年度資料では加算区分ごとに必要な取組数が設定されています。

具体的には以下の表をご参照ください。

加算区分令和8年度5月まで令和8年度6月以降
加算Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ(2026年5月までは加算Ⅰ・Ⅱ)全ての区分でそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上、一部は必須)区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上、⑱必須)かつ、全体で14以上の取組が必要
加算Ⅲ・Ⅳ全ての区分でそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)に取り組む。区分ごとにそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)かつ、全体で8以上の取組が必要

透明性を確保するため、選択した取り組み内容は情報公開システムなどを利用して、公表する必要があります。

上記は要件の一つ「見える化」要件とされ、従業員への公表と共に内外に示すことが求められます。

キャリアパス要件

キャリアパス要件はⅠからⅤまで設定されており、処遇改善加算Ⅳを取得するだけでも要件ⅠとⅡを満たす必要があります。

1.キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系)

就業規則などで職位、職責、職務内容などを定めます。その上で、賃金体系を整備する必要があります。

令和8年度中は、対応することを誓約することで算定可能です。

2.キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施)

以下の1または2のいずれかにおいて、実践的な研修計画を作ることが求められます。また、研修実施に際してシフト調整なども必要です。

1.研修機会の提供または技術指導などの実施、福祉・介護職員の能力評価

2.資格取得のための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助など)

3.キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組み)

具体的には、以下の点に留意して昇給の仕組みを作成することが求められます。

  • 経験に応じて昇給する仕組み
  • 資格などに応じて昇給する仕組み
  • 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み

上記の措置期間が設けられており、本年度中に対応することを誓約することで算定は可能です。

4.キャリアパス要件Ⅳ(賃金改善後の賃金額)

経験・技能のある職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額460万円以上であることが必要です。

先程のシミュレーション上でも介護福祉士が経験・技能のある職員と仮定しています。

令和8年度中は、対応することを誓約することで算定可能です。

詳細は新処遇改善加算の対象者の項目で解説します。

5.キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置)

介護福祉士等が算定要件となる特定事業所加算または福祉専門職員等配置加算を算定していることが条件となります。

加算区分Ⅰイ・Ⅰロという上位区分の取得には必要な要件です。

ただし、以下のサービスは該当する加算がないため、上記加算を算定する場合でもキャリアパス要件Ⅴは不要です。

〈重度障害者等包括支援/施設入所支援/短期入所/就労定着支援/居宅訪問型児童発達支援/保育所等訪問支援〉

対象者の注意点

令和8年度の臨時報酬改定により、処遇改善加算の対象が福祉・介護職員のみから障害福祉従事者に拡大されました。そのため、障害福祉サービスの運営に関わる職員にも配分できる場合があります。

その背景には、介護職員と他職員との賃金バランスの悪化があるとされています。

ただし、一部の職員に偏った配分や、まったく事業に関わっていない職員への配分は認められません。

キャリアパス要件Ⅳに定められる「経験・技能のある障害福祉人材」

キャリアパス要件Ⅳで説明した「経験・技能のある障害福祉人材」については、具体的には以下のように定義されています。

  1. 勤続10年以上
  2. 以下のa,bどちらかに該当する
    • a:介護福祉士/社会福祉士/精神保健福祉士/保育士/心理指導担当職員(公認心理師を含む)/サービス管理責任者/児童発達支援管理責任者/サービス提供責任者
    • b:その他研修などにより専門的な技能を有すると認められる職員(例)強度行動障害支援者養成研修修了者/サービス管理責任者研修修了者/職場適応援助者養成研修修了者/手話通訳士など。

ここまで、新処遇改善加算の概要を説明して実際のシミュレーションを行いました。また、各要件の細かい内容も説明し、新処遇改善加算の理解は進んだと思います。

次項では実際の届け出方法について説明していきます。

今回は弊社の所在地である東京都を事例に実際の届出方法を解説します。
東京都では、東京都障害者サービス情報のページに詳細が掲載されています。

※参考:東京都福祉局「東京都障害者サービス情報 – 書式ライブラリー

全国で統一されているわけではありませんので、必ず管轄となる自治体等のホームページで、福祉・介護職員等処遇改善加算の届出案内を確認しましょう。

介護保険領域でも「処遇改善加算」があるため、重複して表示されるため「福祉・介護職員等」の処遇改善加算を選びましょう。

申請書のダウンロード

事例の東京都の場合だと、書式ライブラリー「令和8年度福祉・介護職員処遇改善加算」のページに書式のダウンロードリンクが掲載されています。

引用:東京都福祉局「東京都障碍者サービス情報書式ライブラリー|令和8年度福祉・介護職員処遇改善加算

最新の計画書様式をダウンロードし、必要事項を記載します。

申請書の記入

申請書はExcelファイルの形式になっており、必要項目を記載していきます。

具体的には、障害福祉サービス等報酬総額や事業所情報などを記載します。あわせて、賃金改善やキャリアパス要件などに関する内容も記載します。

申請書の提出と実績報告

提出先や提出方法は指定権者によって異なるため、あわせて提出先・問合せ先も確認しておきましょう。
提出期限は4月又は5月から算定開始する場合は令和8年4月15日(水) 23時59分までとなります。
※6 月から新たに対象となる相談支援のサービスのみの法人の届出は6月15日(月)が締切となりますので、間違えないように確認しましょう。

毎年3月の事業年度で終了となり、7月に実績報告が必要です。

最後に、処遇改善加算の申請に必要な内容をまとめて振り返り、行動する目標を立てましょう。

福祉・介護職員等処遇改善加算は、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの区分があり、事業所の体制や取組に応じて加算を算定できる制度です。

対象は福祉・介護職員のみならず、障害福祉サービスの運営に関わる障害福祉従事者に広がっています。ただし、一部の職員に偏った配分や、まったく事業に関わっていない職員への配分は認められません。

要件は主に月額賃金や職場環境の改善を実施し、昇給や昇進の仕組みを整えることが必要な加算で、さらに整備した各条件は就業規則などの書面で提示して見える化も求められます。

従業員の給与への影響が大きいため、取得する事業所も多く、9割以上の訪問介護事業所がこの加算を取得しており、訪問介護事業を行うのであれば必須ともいえる制度です。

一方、申請書類の書き方など制度の細かいルールがあるのも事実。区分を上げたくても、制度の理解や要件を守って運用し続けることが困難な事業者が多くいます。

ユースタイルラボラトリーでは、障害福祉サービス事業所向けに経営支援サービス【カイビズ】を展開しており、処遇改善加算の取得・運用の支援を行っております。

利用しているお客様からは

  • 必要書類の準備など丁寧に教えてくれた
  • 事務作業が軽減できて良かった!
  • 書類チェックをこまめに対応いただけるので助かる
  • 介護報酬改定前に関連書類の整備が整って良かった

などのお声を頂いています。

利用者の声はこちらから

対価はいただいておりますが、それ以上の価値を提供し「本業の介護経営」に集中できるよう、全力でサポートいたします。ご相談は無料ですので、是非ともお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

カイビズ編集部

重度訪問介護・グループホームなど自社で運営してきた実績をもとに、介護現場での課題に即した情報発信を行っています。
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